コラム

バイデン政権に対する連邦上院の「対中審査」が日本に与える影響

2021年01月02日(土)11時00分

「対中審査」に対する回答は日本もその影響を真正面から受ける

一方、年末年始にバイデン政権の移行チームに対するトランプ政権からのブリーフィングが一部停止している状態があり、両者の間で認識の相違による言い合いが発生している。同移行手続きが遅れれば遅れるほど、バイデン側は政権全体の対中政策のデザインが遅れることになるだろう。それは同政権閣僚の上院承認のハードルを引き上げることにも繋がる。2021年1月20日を前にしてバイデン新政権と共和党勢力との鍔迫り合いは始まっていると捉えるべきだ。

日本政府も上院承認のための議会公聴会で各閣僚候補者から「対中審査」に対して何が語られるのかをしっかりと目定めることが重要だ。「対中審査」に対する回答はバイデン政権の同盟国に向けた「対中方針」を示すことにもなり、日本もその影響を真正面から受けることになるだろう。

プロフィール

渡瀬 裕哉

国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員
1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。日米間のビジネスサポートに取り組み、米国共和党保守派と深い関係を有することからTokyo Tea Partyを創設。全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。主な著作は『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ』(産学社)、『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』(祥伝社)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)、『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 ”トランプorバイデン”アメリカの選択』(すばる舎)

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