- HOME
- コラム
- サイバーセキュリティと国際政治
- IoT(Internet of Things)の次…
IoT(Internet of Things)の次、IoB(Internet of Bodies)への警告
身体機能の拡張も
健康管理やハンディキャップの克服という目標以上に、身体機能の拡張を求めるためのIoBも検討されるだろう。いささかSFチックになるが、サイバー兵士を求める各国の軍が密かに研究開発を進める可能性はある。
マトウィーシン教授は軍事利用まで直接的には言及しなかったが、スマートスーツのように身にまとうことによる機能拡張はすでに実用化段階である。身体の外側ではなく、体内にデバイスを入れ、それをネットワークに接続して何ができるかが検討されることになる。そうなれば、マトウィーシン教授のいう倫理的な問題は深刻になる。
冒頭で紹介した映画『The Circle』では、子供が誘拐されないように子供にICチップを埋め込む研究をしているという同僚に主人公がギョッとするシーンもある。子供が犯罪に巻き込まれるのを阻止したいという強い欲求がそうした研究に取り組ませていることが示唆されている。
子供が対象ではないが、すでに体内にICチップを埋め込む試みは行われている。そのICチップが外部と通信し始めると予想外のことが起きるかもしれない。
こうしたことに対して先回りして倫理的・法的な検討をすべきだというのがマトウィーシン教授の提言である。
国際的な調整は可能か
聴衆からは、米国だけで規制を考えてもだめで、国際的な協力を考えなくてはいけないのではないか、あるいは、官民の調整も必要ではないかという質問も出た。文化的・倫理的な価値観は国によって異なる。国際的な調整は簡単ではないだろう。
国際社会はサイバーセキュリティの国際合意にも難渋している。ビットコインをどう扱うか、各国の金融当局は苦悶している。もっと難しそうなIoB規制をめぐる国際合意は可能だろうか。深刻な事態が露見すれば、一気に国際規制枠組みが作られる可能性もあるが、現段階では難しいだろう。
IoBという言葉は新しくても、コンセプト自体はそれほど新しくない。考えてみれば、多くの人がスマホを肌身離さず持ち歩いていることを考えれば、すでにそれは身体の一部といっても良い。我々が想像できることのほとんどは実現可能だともいわれる。IoBはIoTの先に待ち構えているだろうか。
サイバー攻撃にミサイルで対抗──イスラエルはサイバー・ルビコン川を渡ったか 2019.05.10
阻止されたロシアによる選挙介入──攻勢に転じた米国サイバー軍 2019.03.19
ファーウェイ問題の深淵:サイバースペースで前方展開する米国 2019.01.16
現代の模範村、中国・烏鎮(ウーチン)で開かれた世界インターネット大会 2018.11.14
ビル・クリントンが書いたサイバー攻撃をテーマとした小説『大統領失踪』 2018.11.07
外交の長い道のり──サイバースペースに国際規範は根付くか 2018.10.26
インド工科大学で聞いた「インドでAIの呪いは起きるのか」 2018.09.13
-
外資系製造業大手の総務アウトソーシングのアシスタン 永田町駅
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
港区/外資系コンサル企業の受付・総務/未経験OK!賞与あり 土日祝休み 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給23万円~30万円
- 正社員
-
東京駅/外資企業/受付/スーパーバイザー/語学活かせる 月30万~・土日祝休 20代・30代活躍中
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給30万円~36万円
- 正社員
-
経理/在宅週2日!外資で働く!経理担当「シニアアカウンタント」 経理「経理事務」・英文経理
ランスタッド株式会社
- 東京都
- 月給41万6,000円
- 正社員