魯迅なら今の日中関係をどう見るか
魯迅には仙台留学中、文学を志すようになるきっかけがあった。中国人がロシア軍スパイとして日本軍に処刑されるスライドを見て、そこに映る周りの中国人が何の反応も見せなかったことに衝撃を受けたのだ。医学では国民を覚醒させることはできない、それができるのは文学だ──そう考えるようになり、文学への転向を決意した。
もっとも、転向の理由はもう一つあったらしい。東北大学の研究者によれば、難しい日本語での講義に加え、医学用語のドイツ語が足を引っ張り、授業についていけなくなったのだろうという。
為政者にこびず、相手が誰であっても道義を外れた者は容赦なく批判
中国を代表する文人・思想家はこうして誕生した。その後、魯迅は55歳で没するが、反国民党で立場を同じくしていた毛沢東にも称賛され、死後は民族的英雄として祭り上げられた。
ただ、毛自身も魯迅の本質を理解はしていたようだ。「もし魯迅が今も生きていたら?」と問われた毛はこう答えたという。「黙っているか、牢屋に入って書いているかのどちらかだろう」
魯迅の素晴らしさは、為政者にこびず、相手が誰であっても道義を外れた者は容赦なく批判するその精神性にある。
今回の式典には仙台市長や中国大使館の参事官、日中友好協会の代表らが出席していたが、現在の厳しい日中関係から目を背け、東北4県と中国との友好エピソードばかり披露されていたので、違和感を覚えた。仙台市は魯迅記念公園を造ろうとしたり、パンダの誘致を進めようとしているし、中国側は中国側で大使館を通じて友好団体ばかりを集めたイベントを開いている。そんな心地いいだけの活動をしている場合だろうか。
日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない 2025.04.25
小池知事に聞いてほしい、東京都が学ぶべきEUの留学制度 2025.04.09
12万人が関与、起源は台湾...中国「詐欺組織」が東南アジアで巨大化した理由 2025.04.03
生成AIで記事も動画も作れる今の時代に、記者としてすごく悩んでいること 2025.03.29
日本では起こりえなかった「交渉の決裂」...言葉に宿る責任感とは? 2025.03.21
韓国大統領の弾劾裁判騒動に思う、「大統領降ろし」という当然の権利 2025.03.08
日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻な問題 2025.02.26
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
労働安全衛生マネージャー「東京/外資系メーカー」
エドワーズ株式会社
- 東京都
- 年収800万円~1,100万円
- 正社員
-
東京/経理 買掛金等/世界トップクラスの包装資材&機械の外資系メーカー 残業10h・年休125日
シールドエアージャパン合同会社
- 東京都
- 年収525万円~630万円
- 正社員
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員