コラム

誰でも受講できる授業「MOOC」... 日本の大学も海外学生を呼び込むチャンスだ

2024年10月11日(金)20時10分
トニー・ラズロ(ジャーナリスト、講師)

その一方、授業というイメージからは少しずれるかもしれないが、「Studying at Japanese Universities(日本の大学への進学)」というプログラムは、日本で勉強したいと考えている海外の学生や帰国生から好評だ。

これは東京大学が駒場キャンパスで展開している「PEAK(Programsin English at Komaba =教養学部英語コース)」の一部。日本の大学に通う外国人留学生が実際に受けているプログラムの中身や勉強方法などをシェアしてくれる。

登場する学生の国籍がフランスやシンガポール、イランなどさまざまで、受講する学生の国籍もかなり多様性に富んでいるため、日本にいながら国際色豊かな環境で勉学に励める。彼らの生の声で先端技術に触れられる授業について知ることができるのもありがたい。

日本の大学もさまざまなMOOCを展開しているが、内容がちょっと残念に思うものも少なくない。名門大学のはずなのにMOOCは意外と迫力がないケースも見受けられる。

MOOC自体が無料で提供されている以上、質の高さを期待するのは贅沢すぎるかもしれない。ただし、各国の優秀な学生の争奪戦が起こっている昨今、日本の大学ももっと力を入れてもらいたい。東京大学と大阪大学を草分けに、日本の大学の魅力を世界に発信する手段として、英語で学べるMOOCをもっとアピールしてみてはどうだろうか。



NW_Tony_Laszlo.jpgトニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。

20241015issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年10月15日号(10月8日発売)は「米経済のリアル」特集。経済指標は好調だが、猛烈な物価上昇に苦しむ多くのアメリカ国民にその実感はない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


プロフィール

外国人リレーコラム

・石野シャハラン(異文化コミュニケーションアドバイザー)
・西村カリン(ジャーナリスト)
・周 来友(ジャーナリスト・タレント)
・李 娜兀(国際交流コーディネーター・通訳)
・トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
・ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米Wファーゴ、第3四半期利益は予想上回る 引当金減

ワールド

独首相、ウクライナ支援発表 14億ユーロ ゼレンス

ワールド

レバノン国連部隊2人負傷、イスラエル軍は避難指示し

ビジネス

米9月PPI、前年比1.8%上昇 7カ月ぶりの小幅
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米経済のリアル
特集:米経済のリアル
2024年10月15日号(10/ 8発売)

経済指標は良好だが、猛烈な物価上昇に苦しむ多くのアメリカ国民にその実感はない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギリス人記者が見た、「メーガン妃問題」とは?
  • 3
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明かす意外な死の真相
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 5
    北朝鮮製ミサイルに手を焼くウクライナ、ロシア領内…
  • 6
    南極「終末の氷河」に崩壊の危機、最大3m超の海面上…
  • 7
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 8
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 9
    【クイズ】ノーベル賞の受賞者が1番多い国は?
  • 10
    ウクライナには「F16が緊急にもっと必要」だが、フラ…
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティアラが織りなす「感傷的な物語」
  • 3
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた「まさかのもの」とは?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはど…
  • 5
    2匹の巨大ヘビが激しく闘う様子を撮影...意外な「決…
  • 6
    借金と少子高齢化と買い控え......「デフレ三重苦」…
  • 7
    ウクライナ軍がミサイル基地にもなる黒海の石油施設…
  • 8
    戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイス…
  • 9
    「核兵器を除く世界最強の爆弾」 ハルキウ州での「巨…
  • 10
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 3
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 4
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 5
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 8
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 9
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 10
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story