日本の若者、世界でも「気候変動への意識」が低いのは「災害に慣れすぎ」が原因?
災害増加の原因が自分にあると考える若者たち
人間の活動によって気候変動が起き、その気候変動により新たな災害が増える。人間(自分)に責任があるから、海外の若者は不安を感じる。日本でも数十年前から環境意識の高まりがあり、いろいろな取り組みが実現したのは事実だ。だが、気候変動の深刻さをもっと意識しながら、さらに積極的に次の対策を取ってほしい。
もし、気候不安症で悩んでいる外国人の若者が日本に来たらショックを受けるだろう。プラスチックの幅広い利用とその量、使い捨ての品物の種類とその量、過剰な冷房の使用、広告やチラシのような紙の無駄遣いなどが明らかで、節電も不十分だ。
気候変動に対する政治家の意識も低い。いまだに政府の政策は「消費」が柱で、何を消費するかはそれほど気にしない。日本の若者もいつか「気候不安」を感じるようになると思うが、その時には遅すぎるかもしれない。不安は良い意味で「行動」につながる可能性があるが、逆に無力感から諦めることもあり得る。後者にならないように、いま大人が動くべきだ。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。Twitter:@karyn_nishi

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