国内にはない「チャンス」が必ずある...日本人よ、「海外留学」を恐れるな
カルチャーはアジアの国境を越える
音楽の話で言えば、日本人ではないけれど、ラッパーで作曲家、「ネームウィー」こと黄明志の名も浮かんでくる。マレーシア出身の彼も台湾留学中にキャリアを築いていった。歌詞の内容が政治的だったりで、批判も時に買っているが、なんだかんだと台湾のグラミー賞とされる金曲奨に何度もノミネートされている。
彼は今も台湾に住み、早くからYouTubeも活用してきた。主に中国語(標準語)を使って活躍しているが、母語のマレー語はもちろん、ベトナム語、タイ語、広東語、日本語でも曲も発表している。
このアプローチに名前を付けるなら「パン・アジア(汎アジア)」になると思うが、これは日本人のアーティストにもチャンスがありそうだ。なにもアメリカだけが「世界」ではないし、アジアの複数の国の出身者から成るKポップグループも誕生しているように、カルチャーはアジアの国境を越えやすいのではないだろうか。
コロナ禍が終わり、国境はいずれまた開放されるだろう。留学から広がる可能性について考えながら、目の前にいる高校生に聞いてみた。
「留学したいと思う?」
「うん」
「よし。がんばれ」
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。
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