コラム

日本も韓国も、父親が「育休」を取りにくい最大の原因は同じだった

2021年06月24日(木)17時37分
李 娜兀(リ・ナオル)

また、17年の世論調査で「乳幼児の子育てに関わりたい」と答えた会社員男性は70.1%で、女性の64.3%を上回った。若い世代の意識変化の影響も大きそうだ。

夫が育児休業を取らなかったことについて今更ながら残念さが募ったのは、ドイツに住むいとこの話を聞いたからだ。2年前に2人目を出産した彼女は育休を1年近く、夫は4カ月以上取り、3カ月間を家族4人全員がニュージーランドで過ごし、とても楽しい思い出をつくったそうだ。

日本も韓国も育休が取りにくい最も大きな原因は、会社での上司や同僚の視線だという。今は法律もでき誰も文句は言えなくなったと思うが、「海外で遊んでくる」とは、まだ言いにくい環境かもしれない。

ただ、親にストレスがかかる乳幼児期の子育てだからこそ、育児休暇の期間をできるだけ楽しく過ごす意味は大きいはず。そして、日本でも「楽しい育児休暇」をアピールしたほうが、もっと若い人たちの取得率も上がるのではないか、と思うのだ。

ちなみに夫に「もしハワイで3カ月育児休暇取れるとしたら、行っていたか?」と聞いたところ、「それなら行った」と断言した。良い政策を広げていくためには、企業の努力や男性の意識向上も重要だが、やはり「楽しい」要素も大事なようだ。

magTokyoEye_Lee.jpg李 娜兀
NAOHL LEE
国際交流コーディネーター・通訳。ソウル生まれ。幼少期をアメリカで過ごす。韓国外国語大学卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得(政治学専攻)。大学で国際交流に携わる。2人の子供の母。

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