ロサンゼルス山火事の原因は「気候変動」にあった?...予防対策に期待の「火災気候指数(FWI)」とは?
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炎に包まれるロサンゼルスの高級住宅地パリセーズ(1月7日)。惨事になった要因が少しずつ見えてきた ERIC THAYER/GETTY IMAGES
<電力設備の不備に加えて、異常気象で高まる出火リスク、綱渡りの対策はとっくに限界だ>
1月7日夕方、ロサンゼルス近郊のカリフォルニア州パサデナに住むドキュメンタリープロデューサー、コリン・ウェザビー(Colin Weatherby)は、自宅マンションの窓を気にしていた。
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「建てられたのが1951年で、窓はひどい状態だった」と、近くの丘陵を一望できるマンションからウェザビーは語った。週の初めに気象局から「致命的な強風」警報が発令されており、老朽化した窓が持つかどうか気がかりだった。
「ものすごい風だった」
ガタガタ揺れている窓を見ていると、近くの渓谷で変圧器が爆発し、渓谷の一部が暗くなった。
「イートンキャニオンの丘の中腹で変圧器の1つが爆発するのが見えた」。それから送電塔のすぐ下でもっと不吉な光景が見えた。「1分足らずで火の手が上がった」
ウェザビーが目撃した光景は、その後数週間に及ぶイートン火災の発端だったのかもしれない。この火災で少なくとも17人が死亡、損壊した建物は9000棟以上に及んだ。ウェザビーはすぐさまイートンキャニオンに住む両親に電話をかけた。
「『そっちの家のすぐ近所で火の手が上がった』と言った。電話している最中に火が燃え広がった」
この火災で自宅を失った住民を代表して弁護士事務所が複数の訴訟を起こし、ウェザビーのような目撃証言や防犯カメラの映像、送電線のセンサーは全て、出火原因が電力会社サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)の送電システムであることを示していると主張している。