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関税を擁護していたくせに...トランプの太鼓持ち・米保守系TV局の「手のひら返し」とは?

WHY THE SUDDEN REVERSAL?

2025年4月16日(水)15時30分
デービッド・マック(スレート誌ライター)

番組のインタビューに応じたブルック・ロリンズ農務長官は、アメリカが戦後何十年にもわたって享受してきた成長と経済的優位を忘れてしまったかのように視聴者に語りかけた。アメリカが「世界最大の経済大国」だった時代は「リベラル派が政府を牛耳った」約1世紀前に終わっており、トランプの大胆さこそがアメリカに「無制限の繁栄という黄金時代」を取り戻すのだと、ロリンズは自信たっぷりに言った。

これを受けてキャスターのジョン・ロバーツは、ようやく自分がジャーナリストだったことを思い出したかのように、ロリンズに「ダウ平均株価は相互関税が発表される前に比べて6000ドル下げています」と言い、おずおずと尋ねた。「この状況が収束するまで、アメリカ国民はどのくらい市場の混乱に耐えなければならないのでしょう」


だがその直後に関税停止が発表されると、ロバーツは「先ほどの質問の答えは約15分でした!」と、カメラに向かっておどけてみせた。

国債市場の崩壊が怖かった?

大盛り上がりのFOXチームだったが、関税停止が「計画どおり」なのかどうかは測りかねていた。わずか数日前にホワイトハウスは、トランプが新関税の適用を停止するつもりだと示唆する報道を「フェイクニュース」と断じていたからだ。

アズマンは実際の計画がどうだったにせよ、この決断で経済危機が回避されたと主張。「見事な政治的決断です」と、トランプを絶賛した。

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