トランプに捨てられ現実を直視...ロシアの脅威を前に「嘆かわしいほど怠慢だった」と反省する欧州は「手遅れ」なのか
DEFENDING EUROPE
数十年前から鳴っていた警鐘は、22年にロシアがウクライナに侵攻して以来、大音量で鳴り響いている。それでも各国の指導者は、防衛費の大幅増額を実現するだけの政治力を発揮できていない。
多くの西欧諸国にとって、ロシアの脅威は地理的に遠い。医療や福祉への支出削減や税負担のさらなる引き上げが必要になるとしたら、防衛費の増額に国民の理解を得るのは難しい。ロシアから遠く離れた場所で暮らす若者たちは、軍務にほとんど関心を示さない。
「欧州軍」を創設する話も出ている。だがその資金と人員を確保できたとしても、物資の調達から作戦の立案・遂行まで防衛全般をいかに協力して行うのかは見えていない。
英王立統合軍事研究所(RUSI)のエド・アーノルド上級研究員は、アメリカの援助を受けないヨーロッパは「非常に脆弱」だと指摘する。またある米軍関係者は「ヨーロッパは危機的状況にある」と述べ、こう続けた。「ヨーロッパらしい生活を維持できるかどうかは今現在、ロシアと国境を接するフィンランドとポーランドに懸かっている」
現在の兵力は必要水準の5%
アメリカとかつてその最大の同盟国とされた欧州諸国の関係を決定的に変えたのは、ウクライナでの戦争だった。
アメリカとの亀裂を取り繕おうとする当局者もいるが、多くは様変わりした安全保障体制の中でヨーロッパがよりどころを失い、危険な状況にあることを認めている。