トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナルゲートは「MAGA哲学」逸脱者を追い出す好機?
Never One to Admit Fault
アトランティックの報道の直後、ある政権高官は米政治ニュースサイトのポリティコで「複数のグループチャットで、ウォルツの処遇が議論されている」と語った(またチャットだ......)。多くの関係者は、トランプを守るためにウォルツが辞任する必要があると主張しているという。
「参加者を確認しないのは不注意だった。シグナルでチャットを行ったのも不注意だった。国家安全保障担当大統領補佐官に不注意は許されない」というわけだ。
外交政策をめぐる内紛
ウォルツが解任ものの失態をしたのは間違いない。だが、それはヘグセスも同じだ。それなのに、ヘグセスを追及する声は共和党内部で上がっていない。
そもそも第2次トランプ政権は発足以来、やりたい放題の連続だが、償いの証しに身内を犠牲にすべきだとの意見はちらりとも出てこなかった。だが、今回は違う。
ウォルツが辞任を迫られるとしたら、それは多分に政権の外交政策チーム内の権力争いと内輪もめの結果だ。
第2次トランプ政権の外交政策チームは、その政治的駆け引きが興味をそそる。本格的な研究に値するくらいだ。
アメリカの行政府の最上層では今、過去数十年間で初めて、大戦略の見直しが進行している。欧州、中東、太平洋などの各地で優位性を維持することは、もはや事実上の戦略ではない。
アメリカが世界で担う責務から退いて近隣地域に注力することや、欧州の防衛は欧州に任せ、中国への対抗を優先することを望む強力な勢力が存在する。