最新記事
大学

トランプの「国力低下」政策が止まらない!...世界トップクラスの大学を「潰したがる」理由

Destroying America’s Crown Jewel

2025年3月24日(月)16時05分
ハワード・フレンチ(コロンビア大学ジャーナリズム大学院教授)

米国際開発庁(USAID)の閉鎖も敵対勢力を喜ばせる決定だ。技術支援や資金供与で貧しい国々の経済開発を助けてきたUSAIDは、アメリカのソフトパワーの増強にも役立ってきたからだ。

太陽光・風力など再生可能エネルギー源の開発を阻害し、化石燃料生産を加速させる政策もアメリカの凋落を招く。それにより国内に深刻な環境破壊が広がるばかりか、未来の経済的繁栄と競争力強化に欠かせない再生可能エネルギー部門でアメリカは他国の後塵を拝すことになるためだ。


敵対勢力がトランプに吹き込むアイデアはまだまだある。

米国立衛生研究所(NIH)など、医学研究におけるアメリカのリードを支えてきた主要機関を弱体化させるのもその1つ。

アメリカの研究チームはNIHの助成を受けて、驚異的な速さでmRNAワクチンの開発に成功し、新型コロナ封じ込めで世界を牽引したが、アメリカは今後こうした偉業も達成できなくなる。

アメリカを凋落させるアイデアは数々あり、大統領の頭にそれらを吹き込もうとする敵対勢力は途中で疲れてしまいそうだ。

けれども心配無用。ドナルド・トランプ米大統領は彼らにたき付けられずとも、そうしたアイデアを着々と実行に移している。しかも今の米政権にはそれを制止しようとする動きは皆無だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

LVMH陥落でエルメスが首位に、欧州高級ブランド時

ワールド

原油先物は下落に転じる、貿易戦争の影響見極め

ビジネス

中国GDP、第1四半期は前年比+5.4% 消費・生

ビジネス

報復関税、中国の医薬品価格押し上げか 大手各社が米
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    そんなにむしって大丈夫? 昼寝中の猫から毛を「引…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中