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インタビュー

中台戦争回避に必要なのは? 英研究所の中国専門家が示す、唯一の現実的な選択肢

2025年3月7日(金)11時40分
メレディス・ウルフ・シザー
台湾海峡には、中国、台湾のみならず米国などの思惑も絡みあい、複雑な様相を呈している。

台湾海峡では、中台だけでなく米国も重要なプレイヤーだ rawf8-shutterstock

<中国と台湾との間で戦争が勃発した場合、世界経済や安全保障環境に大混乱が生じる。キングズ・カレッジ・ロンドンの中国研究所所長が示す、両者の戦争を回避するための現実的な選択肢とは...>

英キングズ・カレッジ・ロンドンの中国研究所所長であるケリー・ブラウン教授は中国史の専門家だが、外交官として北京のイギリス大使館に勤務した経験も持つ。

2007年以降は研究者として、ほぼ毎年のように中国関連の著作を発表してきたブラウンに、米トランプ政権の誕生が中台関係に与える影響などを、本誌メレディス・ウルフ・シザーが聞いた。


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新著『なぜ台湾が重要か』で、中台戦争による影響を論じたブラウン教授 COURTESY OF KERRY BROWN

◇ ◇ ◇


――米トランプ政権の方針は中台関係にどのような影響を与えるのか。

24年の米大統領選におけるトランプの台湾に関する発言には一貫性がなかった。トランプにとって台湾は、中国と交渉する上での戦略の一部にすぎない。

台湾指導部は、第2次トランプ政権に慎重に対処する必要があるだろう。トランプ政権には、台湾の自治拡大や(国として)承認することを熱烈に支持する人物もいるが、トランプ自身は違う。民主主義を支えることへの関心は乏しく、権威主義的な中国と合意をまとめることに、トランプの意識は集中している。

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