得票率は前回比で倍増、約21%に...極右政党AfDとドイツ政治の危うい行方
No Longer on the Margins
今の若い世代が政治に関する情報を、もっぱらTikTok(ティック・トック)で得ているのも憂慮すべき事態だとマースは言う。TikTokには、極右(と極左)のメッセージがあふれている。
昨年6月の欧州議会選でもそうだったが、AfDは今回の総選挙で旧東ドイツの全5州で圧勝した。そこではAfDのシンボルカラーである水色があふれ、旧西ドイツ側はCDUの黒で埋まった。これが今のドイツ。
民主的な保守派と反民主主義の保守派がしのぎを削っている。AfDに言わせれば、自分たちとCDUが連立を組むのは当然のこと。実際、移民問題だけでなく、多くの点で両者の政策は重なっている。
しかしCDUは、AfDとの連立は「あり得ない」としている。この国にファシストの居場所はない、そんなことは「二度とない」。第2次大戦後に、ドイツの人々はそう世界に約束した。つい最近も、極右の台頭に反発する各地のデモで、こんなプラカードを掲げる人たちを見かけた。
「二度とないぞ、今こそ!」

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