現状は「プーチンの勝利」...和平交渉に向けてトランプが出せる、最大の「アメ」と「ムチ」は何なのか
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ただし、トランプには、ロシアに行使できる貿易上の影響力はほとんどない。そして、戦場で主導権を握っているのはプーチンだ。
とはいえウクライナ軍はおおむね健闘し、数カ月前からは前線のはるか後方にあるロシアの石油関連施設や軍事司令部を攻撃している。また18〜25歳の若者を徴兵していないため、人的資源にもかなり余裕がある。
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3年で士気は低下したが、ウクライナは戦うのをやめないだろう。ある兵士の言葉を借りるなら、「やめることはウクライナの死を意味する」からだ。そのため今後数カ月、戦場では苦しい現状が続く。
ウクライナの存亡はトランプに支援を続ける意思があるか否かに懸かっており、有意義な交渉ができるかはプーチンに懸かっている。
ロシアに国土の20%を制圧された22年、ウクライナのGDPは30%近く下がった。侵攻開始以来、国民の4分の1が国内外で難民となった。
1500億ドルを超える規模のインフラを破壊され、復興にかかる費用は5000億ドル以上とされる。23年から経済は年に3〜5%の成長を遂げインフレ率も12.8%と比較的緩やかだが、戦争を続けるには欧米からの巨額の支援が欠かせない。
しかし欧米、とりわけアメリカの支援には陰りが見え、長引く戦争で人的・物的被害は増大するばかりだ。ウクライナでは24年、戦争終結に向けた交渉を求める声が著しく増えた。交渉を支持する国民は昨年11月の時点で52%に達し、1年前の27%から倍増した。