【超解説対談】イーロン・マスクがトランプ政権で課せられた本当のミッションとは? 日本政府のトランプとのパイプ役は?(小谷哲男教授)
Decoding Trump 2.0
――まもなく4年目に入るウクライナ戦争について。トランプ氏とバンス氏はDMZ(非武装地帯)を作って休戦に持ち込む、朝鮮戦争なやり方を主張してきた。本当に可能か?
プーチン大統領の出方次第です。トランプ氏は就任前からウクライナ・ロシア担当の特使にキース・ケロッグ氏を指名しています。ケロッグ氏は(トランプ氏の)就任前から動いて、プーチン氏とトランプ氏の会談などを模索しているようです。当初はロシアも3年近く戦って、かなり経済も悪く停戦を持ちかければ乗ってくるだろう。特にウクライナにNATO加盟を棚上げさせれば乗ってくるだろうと思っていたんですが、意外とプーチン大統領、ロシア側が乗ってきていないようです。
だから当初は24時間で終わらせると言っていましたが、最近は100日あるいは6カ月と後退しています。当初描いていた停戦が実現し、緩衝地帯を作り、そこにアメリカではなくヨーロッパの軍隊が入り、それでアメリカが引いていくというアイデアは、今のところまだ実現が難しい。
――トランプ大統領の指向する外交は、その昔、ニクソン大統領が中国と組んでロシアを封じ込めた三角外交の逆パターン、つまりロシアと組んで中国を封じ込める新・三角外交に見える。
それを「逆ニクソン」と言うこともあります。トランプ氏の側近たちの話を聞いていると、ウクライナで停戦が実現できれば、石油を買ったり、民生品を渡す形で中国がロシアを支援している関係を止めることができる。そして、停戦実現後にロシアに対して関係改善を持ちかけ、経済制裁を緩和をしていけば、ロシアを中国から引き剥がせる。
そのためであれば、ロシアのG8復帰も考えるという発言が出ている。まさに「逆ニクソン」をやろうとしているんだと思います。しかし、ニクソンの時とは国際情勢も全然違いますし、そう簡単にうまくいかない。
――一番違うのは中国が経済力をつけていること。どの国も中国なしではビジネスが回らない状況になっている。
かつてはソ連と中国の間に国境紛争もあって、実際に戦争に発展していたが、今両者にそういう紛争の種はありません。そういう意味では、「逆ニクソン」はそう簡単にはうまくいかない。
――一方で、それぐらい中国がアメリカにとっては脅威であるということだ。
中国こそが最大の敵、悪なので大国間競争を仕掛けて、軍事面でも経済面でも技術面でも、アメリカが優勢な立場・環境をつくることを目指していくと思います。
――AIのディープシークが話題になったが、バイデン政権の半導体囲い込みが逆に働き、中国のイノベーションを促す皮肉な側面もあった。
技術面での競争は今後、さらに加速化していくと思います。
――北朝鮮、イランとの関係はどう展開していく?
北朝鮮もイランも今、ウクライナ戦争でロシアを支援しています。ウクライナの停戦が実現できればロシアとイランを、ロシアと北朝鮮を切り離すことができると考えています。イランに対しては封じ込めを継続し、経済制裁の復活も含めて孤立化させ、核開発を放棄させる。
一方、北朝鮮に対しては、1期目も非核化交渉を3回やりましたが、今回も交渉を持ちかけると思います。ただ、非核化交渉ではおそらくなくなり、北朝鮮を核保有国として認めた上で軍備管理交渉を持ちかけ、そしてアメリカと北朝鮮の関係を改善していく。そうすれば、北朝鮮を中国から引き離すことができる。そういう絵を描いています。
――それもあくまで中国包囲網の一環だと。
そうです。今まさに中国こそが最大の敵なので、あらゆる手段でこれを孤立化させることを目指しています。
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