最新記事
日米関係

石破・トランプ「蜜月」の裏で浮かび上がった「意識のギャップ」...世論調査で見えた日米関係の今後

Caught in the Shockwave

2025年2月17日(月)16時48分
クレイグ・カフラ(シカゴ国際問題評議会世論・外交政策担当責任者)
ドナルド・トランプ大統領と石破茂首相

石破の訪米とトランプとの初の首脳会談は成功に終わったが、防衛や経済分野では両国間の食い違いが目立つ CNPーINSTAR IMAGESーREUTERS

<「最高の」日米首脳会談を終え、良好な関係を築いたように思えるが、両国民の意識のズレを無視すれば関係悪化も──>

日米双方の政府関係者にとって、望める限り最高の首脳会談だった。首都ワシントンを訪れた日本の石破茂首相と、ドナルド・トランプ米大統領が2月7日に行った初会談は友好ムードに満ちていた。しかし、これから先には大きな課題が待ち構えている。

防衛分野について言えば、日米同盟をめぐる姿勢は両国共に生ぬるい。経済分野では、アメリカ側の熱意不足が目立つ。さらに、第2次トランプ政権の政策は、さまざまな形で日米同盟にマイナスの影響を与える可能性がある。


首脳会談後の共同記者会見は主に、アメリカの日本に対する防衛義務を含めて、両国間のこれまでの約束を再確認する内容だった。台湾問題など、インド太平洋での共通の優先課題も列挙された。

両首脳が互いを称賛する場面もあった。石破の訪米が期待以上だったのは確かで、日本では好評で迎えられている。

石破の成功を支えたのは、日米双方の国民が重視する両国関係だ。昨年12月、読売新聞社と米世論調査会社ギャラップが行った共同世論調査では、日本の防衛力強化に賛成する人の割合が日米で過半数を占めた。中国や北朝鮮など、東アジアの脅威の位置付けも共通している。

米国民はこの2つの点を明確に結び付けている。米世論が日米同盟のさらなる強化を望むのは、中国を抑え込むためだ。同盟強化は中国の影響力の拡大抑止という、より大局的な優先事項と合致する。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、重要鉱物の輸入依存巡る調査開始へ大統領

ワールド

ハーバード大は政治団体として課税を、トランプ氏が免

ビジネス

米J&Jトップが医薬品関税で供給網混乱と警告、国内

ワールド

中国、ロシア産LNG輸入を拡大へ 昨年は3.3%増
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    そんなにむしって大丈夫? 昼寝中の猫から毛を「引…
  • 10
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中