開発費用たったの560万ドル...ディープシークの衝撃は「中国の逆襲」の始まりか
DeepSeek Shock Waves
ラッセルによると、最大の驚きは訓練コストの金額と使用している半導体チップの数だ。
「市場は震撼した。マイクロソフト、メタ、オープンAIなどの米企業は新しい世代のシステムの訓練と運用に必要だとして、半導体とデータセンターに莫大な投資を行ってきたからだ。その前提が間違っていて、はるかに安く実現できるなら、そうした投資の大半は無駄ということになる。特にエヌビディアの半導体の需要予測はかなり減るだろう」
エヌビディアの広報は本誌に対して、次のように述べた。
「ディープシークはAIの素晴らしい進歩で、テストタイム・スケーリング(モデルの推論の計算量が増えるほど精度が向上する法則)の完璧な例だ。広く利用されているモデルと(アメリカの)輸出規制に準拠した計算能力を活用して、いかに新しいモデルを作成できるかを示している。推論には膨大な数のエヌビディア製GPU(画像処理半導体)と高性能のネットワークが必要だ」
人類を滅亡させる可能性
マイクロソフト、メタ、アマゾン、アルファベットがAIプロジェクトに費やす金額は、今年だけで総額最大3000億ドルに達するとみられる。
ドナルド・トランプ米大統領は1月21日、オープンAI、オラクル、ソフトバンクグループが新事業「スターゲート」を立ち上げ、米国内でAI関連のインフラ整備に今後数年で5000億ドルを投資すると発表。
「アメリカの将来性への明確な信任投票だ。AI技術の未来が保証され、技術をこの国にとどめるだろう」と、トランプは語った。