「アメリカは抜けない...」諦めムードに沈む中国だが「ナンバー2」の方が「お得」かもしれない?
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コロナ禍の低迷を抜け出せず
中国が目指す多極的世界秩序の構築には権力の分散と脱ドル化が必要で、そのためにはドイツと日本を抜き世界第2位の経済大国になったときのような圧倒的な発展が求められる。しかし産業の原動力となってきた労働力は、減少しつつある。
国連の統計によれば、中国の人口は2040年までに現在の約14億人から13億人に減る。15〜64歳の生産年齢人口の割合は70%から64%に落ち、65歳以上の高齢者の割合は25年の15%から27%まで増えるとされる。
同時期で比べると、アメリカの人口は3億4700万人から3億7000万人に増加する。生産年齢人口の割合は64.5%から62%に減少し、高齢者の割合は18%から22%に増加する。
アメリカの出生率も1.6と人口維持に必要な2.1に届いていないが、決定的な違いが1つある。移民の数だ。
ピュー・リサーチセンターによれば2023年、アメリカには海外出身の居住者が4780万人おり、人口の14.3%を占めた。一方20年に実施された中国の国勢調査では在留外国人の数は143万人で、人口のわずか0.1%にすぎなかった。
かつての目覚ましい経済成長は、毛沢東の死後に行われた改革のたまものだった。新型コロナウイルスが猛威を振るう以前から、インフラへの過剰投資と不動産市場の過剰債務により成長には陰りが見られた。