「アメリカは抜けない...」諦めムードに沈む中国だが「ナンバー2」の方が「お得」かもしれない?

BABY BLUES

2025年2月5日(水)15時52分
ジョン・フェン(東アジア政治担当)、マイカ・マッカートニー(アジア安全保障担当)

世界の実質GDPの伸び率のグラフ

中国政府が次なる技術革命の最前線に立つことがさまざまな指標の悪化を相殺するカギかもしれない。自動化とAI(人工知能)のテコ入れに成功しているならなおさらだ。

中国は既に再生エネルギーと電気通信分野では他をリードし、先端的な生産拠点はグローバルサウス(途上国の大半が位置する南半球)の手付かずのグリーン市場を獲得する一助となっている。


「商業用原子力や量子通信、一部の産業用AIアプリといった分野で、中国は既に世界の主要国と同等もしくは優位にある。特に戦略的テクノロジーの規模拡大では群を抜いている。

顕著な例がグリーンエネルギーと重要鉱物。最初の開発から消費者向け市場への参入までのプロセスで成功したたまものだ」と、アジア・ソサエティー政策研究所中国分析センターのフェローで中国経済を研究するリジー・C・リーは言う。

「だが技術的に優位に立つには(産官学連携の)イノベーションエコシステム全体の健全さが重要だ。その点、アメリカは分散型イノベーションモデルのおかげで圧倒的優位を保っている。中国のアプローチは戦略部門で迅速な成果を上げることには秀でているが、アメリカのシステムの柔軟性と順応性のほうが持続的イノベーションに貢献する」

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