最新記事
アメリカ政治

「黄金時代」約束したトランプ大統領だが、政策実行には高いハードルが

2025年1月21日(火)13時51分

それでもトランプ氏が駆使できる長期的な選択肢は限られる可能性がある。

元米情報機関職員のコリン・コステロ氏は、バイデン前大統領はティックトックの親会社に一定条件を満たせば米国で買い手を見つけるために規制法発効を90日猶予する措置を講じることができたが、期限延長を認めずに既に失効したと指摘。そうした手段はもはや使えないかもしれないと話す。

コステロ氏によると、規制法の効力を長期間停止するには、トランプ氏が特定期間施行しないよう司法省に直接指示する必要が出てくる。ただこれは法的な部分で不透明感をもたらすだろうという。

議会上下両院でも一部共和党議員は、ティックトックは米企業に売却されるか、即時事業を停止すべきだと主張し、トランプ氏に公然と反対している。


 

ウクライナ、パナマ、火星

トランプ氏は昨年の選挙戦で再三にわたり、自分が大統領になる前にウクライナの戦争を解決すると表明していたが、結局それは成功しなかった。側近らは現在、ロシアとウクライナが和平協定を結ぶには何カ月もかかると認めている。

就任演説ではパナマ運河の管理権を取り戻すとも繰り返したが、同盟国の主権に絡む問題で具体的にどうするのかは分かっていない。

トランプ氏は「メキシコ湾」の「アメリカ湾」への改名にも言及。これは米国地質調査所に指示すれば可能だが、国際的に承認される公算は乏しい。

さらにトランプ氏は、任期を終える2029年1月までに有人火星着陸を目指すと明言したものの、実現に向けた道のりは険しい。参考までに地球と月の距離は約23万9000マイルだが、地球と火星はおよそ1億4000万マイルも離れている。

米航空宇宙局(NASA)は昨年12月、国際月探査「アルテミス計画」の日程を再延期した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ソフトバンクなど3社、米AIに最大5000億ドル投

ワールド

米国土安保省、全ての諮問委員解任 トランプ政権発足

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、半導体関連しっかり トラ

ワールド

TikTok、米アプリストアで利用できず 禁止措置
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 7
    トランプ新政権はどうなる? 元側近スティーブ・バノ…
  • 8
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    米アマゾン創業者ジェフ・ベゾスが大型ロケット打ち…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中