「黄金時代」約束したトランプ大統領だが、政策実行には高いハードルが
それでもトランプ氏が駆使できる長期的な選択肢は限られる可能性がある。
元米情報機関職員のコリン・コステロ氏は、バイデン前大統領はティックトックの親会社に一定条件を満たせば米国で買い手を見つけるために規制法発効を90日猶予する措置を講じることができたが、期限延長を認めずに既に失効したと指摘。そうした手段はもはや使えないかもしれないと話す。
コステロ氏によると、規制法の効力を長期間停止するには、トランプ氏が特定期間施行しないよう司法省に直接指示する必要が出てくる。ただこれは法的な部分で不透明感をもたらすだろうという。
議会上下両院でも一部共和党議員は、ティックトックは米企業に売却されるか、即時事業を停止すべきだと主張し、トランプ氏に公然と反対している。
ウクライナ、パナマ、火星
トランプ氏は昨年の選挙戦で再三にわたり、自分が大統領になる前にウクライナの戦争を解決すると表明していたが、結局それは成功しなかった。側近らは現在、ロシアとウクライナが和平協定を結ぶには何カ月もかかると認めている。
就任演説ではパナマ運河の管理権を取り戻すとも繰り返したが、同盟国の主権に絡む問題で具体的にどうするのかは分かっていない。
トランプ氏は「メキシコ湾」の「アメリカ湾」への改名にも言及。これは米国地質調査所に指示すれば可能だが、国際的に承認される公算は乏しい。
さらにトランプ氏は、任期を終える2029年1月までに有人火星着陸を目指すと明言したものの、実現に向けた道のりは険しい。参考までに地球と月の距離は約23万9000マイルだが、地球と火星はおよそ1億4000万マイルも離れている。
米航空宇宙局(NASA)は昨年12月、国際月探査「アルテミス計画」の日程を再延期した。