最新記事
アメリカ

大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何でも命令できるのか【トランプ2.0】

2025年1月20日(月)22時55分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
米議会議事堂

ドナルド・トランプの米大統領就任式を翌日に控えた米議会議事堂(2025年1月19日) Jeenah Moon-REUTERS

<ニュースでよく聞く「大統領令」。なぜ米大統領はこんな命令を出せる?>

2期目のアメリカ大統領に就任したドナルド・トランプ(Donald Trump)。就任直後に100本、いや200本以上の大統領令(Executive Order)に署名するなどと報じられている。

大統領令とは何か? なぜ三権分立制を敷く民主主義国のアメリカで、大統領がそのような命令を出すことができるのか?

大統領令とは、行政の長である大統領が連邦政府機関に対して出す命令のこと。議会における法律制定のプロセスを経ずに、法律と同等の法的拘束力を持つ直接的な指示を出せる。

一般には議会が制定した法律の範囲内でその執行を指示するのが大統領令だが、現実には議会の意図に反するものも多い。議会の承認を必要とせず、大統領の独断で迅速に発効させることができるため、新政権の政策を方向付けるべく、就任直後に出されることがある。

トランプは勝てない!【表】大統領令を乱発した大統領歴代トップ5

なんでも命令できる?

もちろん、「どんな命令でもOK」というわけではない。憲法や議会が制定した法律に反する場合、無効となる場合もある。議会が大統領令を無効とする新たな法律を定めたり、最高裁判所が違憲判決を出したりする仕組みも用意されている。

また、新政権が前政権の大統領令を覆すことも頻繁に行われている。実際に、ジョー・バイデンはトランプ政権1期目の大統領令を無効にしたし、今回はトランプがバイデン政権の大統領令をいくつも覆すと見込まれている。

展覧会
奈良国立博物館 特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」   鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米関税に「断固たる対抗措置」、中国国営TVが短文サ

ビジネス

米2月PCE価格+2.5%、予想と一致 スタグフレ

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

ウクライナ、過去の米軍事支援を「ローン」と見なさず
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中