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視覚障害の人気アナの盲導犬を追い返した韓国ダイソー 地元の慶州市が本社調査へ

2025年1月18日(土)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


KBSの昼のニュースに出演する視覚障害者のホ・ウリョン・アナウンサー KBS News / YouTube


「安全上、盲導犬の入店はできません」

そして、最後にちょっと必要なものがあったというホアナウンサーたちはダイソーに立ち寄った。韓国でもダイソーは「チョンウォンショップ」(日本の100円均一に対して、為替レートが円の10倍になるウォンで1000ウォン均一としているため)と呼ばれてソウルをはじめとした各地にあり、人気が高い。

ところが、そこでトラブルが起きた。売場の店員がホアナウンサーと盲導犬のハヤンを見るやいなや、こう言った。

「安全上の問題から盲導犬の入店はできません」

これに対しホアナウンサーが「安全の問題と盲導犬が入ることは関係ないのではないですか?」と尋ねると、その店員は「私たちは他のお客さんの安全も考えなければないません。ここには物が沢山あるんです」と答えたという。

それでもホアナウンサーが「私たちはダイソーの他の店舗にも行きますし、そこでは盲導犬が入ることができますよ」と話し、また同行しているプロデューサーも「安全かどうかは私たちが決めることではないですか?」と説得したが、店員は「商品にぶつかって倒れたりするかもしれないですし」と話して埒が明かない。

ホアナウンサーたちは「転んだりはしませんから」と店員をなんとか安心させて、急いで買い物をして店を出たという。

盲導犬を断ると罰金300万ウォン

実は日本同様、韓国でも盲導犬の入店を断ることは法律で禁止されている。障害者差別禁止法と障害者福祉法に基づいて、盲導犬などの補助犬を同伴した障害者の公共交通、公共施設、宿泊施設、食品接客業者の利用を正当な理由なしに拒否できないことになっており、これに違反した場合は300万ウォン(約32万円)以下の罰金が科せられる。

今回のホアナウンサーが体験したダイソーでのトラブルの動画を見たネットユーザーたちからは、「従業員の教育からしなければならないような...... 呆れてものが言えないですね」「この映像を見てダイソーのホームページにサービス改善文を載せます」「うちの近所のダイソーは普通の犬も全部入れるのに盲導犬を拒否するなんてあの店はひどいですね」といったコメントが付けられた。

さらには「私がダイソーに苦情を申し立てて、今日担当者から電話を受けました。 適切な措置を取ると言っています。必ず改善されると思います」というコメントまで登場した。

これに対してホアナウンサーは、「慶州で楽しく挨拶して歓迎してくださったレストラン、観光名所のすべての方々に感謝いたします!! 私たちが気楽に行ける所、いい思い出を作れる所をたくさん探してみます。今日もドタバタした私たちの日常 The end ps.*映像アップロード後、ダイソーの方々と直接連絡をとって、盲導犬に関して今後職員の教育をしてくださるという約束を受けました。盲導犬パートナーが快適に利用できるダイソーになることを願い、多くの部分に気を配ってくださってありがとうございます!」というメッセージを残している。

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