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ファクトチェックを廃止するメタの「本当の狙い」とは?...パートナーのAFPが知らされたのは「発表の15分前」

Mark Zuckerberg’s Geopolitical Free Speech Gambit

2025年1月14日(火)15時33分
リシ・アイエンガー(フォーリン・ポリシー誌記者)

今のところ、ファクトチェック廃止の対象はアメリカだけだ。メタのファクトチェック・プログラムは世界90以上の国・地域の独立したパートナーで構成され、60以上の言語で運営されている

彼らの多くは自分たちも切られるのではないかと心配している。「大半はメタのプログラムのおかげで成長し、生計を立ててきた小規模な組織」だと、台湾ファクトチェックセンターの元編集長サマー・チェンは言う。


自分たちは新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ紛争をめぐる偽情報と闘ってきたと、チェンは力説する。「私たちは世界的な偽情報の防衛ラインを構築した」

だがマスク買収後のXにメタが追従したことで、「防衛ラインとファクトチェック・コミュニティーは存亡の危機に立たされる」という。

もっと規模の大きなパートナーもこの決定に憤慨しているようだ。フランスの通信社AFPもその1つ。

「アメリカでのファクトチェック廃止をメタから知らされたのは発表の15分前だった」と、グローバルニュース・ディレクターのフィル・チェトウィンドは同社のサイトに書き込んだ。

誤情報に関するメタの対応がもたらす有害な影響は、欧米以外のほうが深刻だ。例えばフェイスブックは18年、ミャンマーで民族間の暴力をあおる手段として使われるのを防ぐ措置を十分に講じてこなかったことを認めている。

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