ファクトチェックを廃止するメタの「本当の狙い」とは?...パートナーのAFPが知らされたのは「発表の15分前」
Mark Zuckerberg’s Geopolitical Free Speech Gambit
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米上院司法委員会の公聴会で証言するザッカーバーグ(2024年1月) MICHAEL BROCHSTEINーSOPA IMAGESーREUTERS
<移民やジェンダーに関する規制を撤廃し、「ジェンダーや性的指向に対して異常性を主張する」などのヘイト行為も許容する今回の発表。メタ社の「真の意図」とは?>
メタ(Meta)のマーク・ザッカーバーグCEO(Mark Zuckerberg)が1月7日、重大発表を行った。同社のSNSプラットフォーム、フェイスブックとインスタグラムに投稿した5分間の動画で、「移民やジェンダーなどのトピックに関する規制を撤廃する」と同時に、有害と判断したコンテンツを削除する自動システムの敷居を下げると明言したのだ。
【動画】ザッカーバーグ自ら「重大発表」として、規制撤廃について説明する様子
「ヘイトまみれの行為」に対するポリシーも変更され、「ジェンダーや性的指向に対する精神疾患や異常性の主張」も許容するという。
さらにアメリカでは「ファクトチェック機能を廃止」し、ユーザー同士が誤情報に注意喚起する「コミュニティーノート」方式に置き換える。これはイーロン・マスクが2022年に買収し、翌年にXと改名した旧ツイッターに近いやり方だ。「自由な表現という原点に立ち返る」と、ザッカーバーグは力説した。
どうやら次期大統領を意識した方針変更らしい。ザッカーバーグはトランプ同様に政府や既存メディアの「検閲」を批判し、「最近の選挙は再び言論(の自由)を優先する方向に進む文化的転換点のように感じる」と付け加えた。
メタが政権を握った政党に合わせてポリシーを変えるのは目新しい動きではないと、同社の元公共政策ディレクター、ケイティ・ハーバスは言う。「これは結局、言論ではなくビジネスの問題だ」