わが子の亡骸を17日間離さなかったシャチに新しい赤ちゃんが誕生
Orca Who Carried Dead Calf 1,000 Miles Gives Birth Again

母子シャチのイメージ。子どもの生存率は50%程度だという 100boon-Shutterstock
<わが子の死を悼む痛ましい行動が世界に衝撃を与えた母シャチが、6年ぶりに元気な赤ちゃんと泳ぐ姿が確認された>
わが子の亡骸を連れて17日間泳ぎ続け、2018年に世界に衝撃を与えた母シャチに、新しい赤ちゃんが生まれた。
死んだわが子と共に米ワシントン州とカナダのブリティッシュコロンビア州の沖合を泳ぎ続けて涙を誘った母シャチが、新たに元気な赤ちゃんを産んだと、クジラ研究調査センター(CWR)の調査ディレクター、マイケル・ワイスが発表した。
CWRは太平洋岸北西部のシャチの集団「サザンレジデント」を継続的に調査している。
個体識別番号J35、研究者たちが「タレクア」と呼ぶこの母シャチは12月20日に、米ワシントン州のピュージェット湾で、赤ちゃんを連れて泳いでいる姿が初めて目撃された。
シャチのメスが一生の間に産む子どもの数は4、5頭で、成体になるまでの生存確率は50%程度だという。6年前にわが子の死を受け入れられず亡骸を離そうとしなかったタレクアは、シャチが直面する繁殖の危機を世界中の人々に知らせ、保護意識の高まりにつながった。
何しろタレクアは、わが子の死を悼むあまり亡骸を頭に乗せたり、後ろから押したりして、海を1600キロも泳ぎ続けたのだ。