最新記事
ウクライナ情勢

遠距離から超速で標的に到達、ウクライナの新型「ヘルミサイル」ドローンの量産加速

Ukraine ramps up production of "Hell" missiles

2024年12月17日(火)19時17分
マヤ・メーララ
新型の国産「ヘル」ミサイルドローン「ペクロ」

新たな国産ドローンミサイル「ペクロ(ヘル)」を披露するゼレンスキー大統領(左)シルスキー陸軍司令官(12月6日、キーウ)REUTERS/Valentyn Ogirenko

<射程700キロメートルのドローン型巡航ミサイル「ペクロ」の量産により安価で強力な兵器を確保>

ロシアとの戦闘が激しさを増すなか、ウクライナは現地語で「地獄」を意味する国産のドローン型巡航ミサイル「ペクロ」の増産に乗り出しているという。ウクライナのニュースメディア「プラウダ」の経済版「Ekonomichna Pravda」が伝えた。

【動画】新型ヘルミサイルドローン「ペクロ」

「ペクロ」は過去3カ月で既に100基が製造されており、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2025年までに1000基の製造を目指していると発表した。

ウクライナの国防・航空宇宙企業「ウクロボンプロム」が製造する「ペクロ」は射程700キロメートル、飛行速度は最大で時速700キロメートルに及ぶ。ウクライナはこのほかにも巡航ミサイル「パリャヌィツィア」や「ルータ」をはじめとする数多くの兵器の開発を進めている。

強力なミサイルの生産拡大はウクライナにとって重要な意味を持つ。ロシア側は長距離兵器や以前にも増して強力なドローンが配備されるようになっており、この中にはロシア軍の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシュニク」も含まれている。

ジョー・バイデン米大統領が、ウクライナが米国製の長距離兵器を使用してロシア領内への攻撃を行うことを許可して以降、ウクライナとロシアの戦闘は劇的にエスカレートしている。こうしたなかウクライナは「ペクロ」の生産を増やすことで、より安価なミサイルを大量に生産し、ロシアとの戦闘を継続するための兵器を確保することができる。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランの港湾爆発、死者65人超に 火災は48時間後

ワールド

自民政調会長、トランプ関税の再考要請 「アジア安保

ワールド

スペインに緊急事態宣言、大規模停電で 原因特定でき

ワールド

ロシア、5月8から3日間の停戦を宣言 ウクライナ懐
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    【クイズ】米俳優が激白した、バットマンを演じる上…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中