最新記事
ロシア

ウクライナ侵攻によるロシア兵の死者は11万5000〜16万人に、兵士を「使い捨てる」ロシア軍の残酷物語

War the Russian Way

2024年12月16日(月)13時29分
アレクセイ・コバリョフ(ジャーナリスト)
ウクライナ侵攻によるロシア兵の死者は11万5000〜16万人に、兵士を「使い捨てる」ロシア軍の残酷物語

fortton -shutterstock-

<非ロシア系住民や囚人を激戦地に、プーチンがひそかに進める国内の「民族浄化」。ロシアに連れ去られ成長して、ロシア軍に徴兵されたウクライナ人の少年も...>

いま世界で最も陰鬱な場所の1つは、ロシア南部の街ロストフナドヌーだろう。ロシア軍のウクライナ侵攻を後方支援する補給基地があるだけでなく、戦場で犠牲になったロシア兵の遺体が集まる場所でもあるからだ。

巨大な遺体安置所は数百体を収容できるが、もう何カ月も絶望的なパンク状態にある。ソーシャルメディアに流出した内部映像では、さまざまな腐敗段階にある数百の遺体が廊下に放置されている。


壁沿いには天井まで棺が積み上げられているが、そこに納められた遺体は幸運だ。戦場で回収され、身元が特定され、棺に入れられ、遠く離れた故郷の家族に送り返してもらえるのだから。

ロストフナドヌーに運ばれることもなく、ウクライナの大地で朽ち果てる遺体は無数にある。

確かに彼らは、ロシアによる不当な侵攻の実行部隊であり、ウクライナが自衛権という当然の権利を行使した結果、命を落とした。また、ロシア兵の多くが、民間人を含むウクライナの人々に対して筆舌に尽くし難い狼藉を働いたことも知られている。

ただ、ロシア兵が命を落とすペースが、ウクライナ兵のそれを著しく上回っていることは、ロシア側における2つの大きな問題点を浮き彫りにしている。すなわち兵士の使い方における著しい人命軽視と、その人種的な偏りだ。

SDGs
「ステハジ」が描く脱プラ未来...マイボトルでギネス記録、給水が新たな選択肢に
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国新築住宅価格、11月は前月比-0.1% 1年5

ワールド

トランプ氏、盟友ヌネス氏とグレネル氏を政権要職に指

ワールド

再送-シェール技術が地熱発電を後押し、安定的な電力

ワールド

習氏「ナイフの刃を内側に向ける勇気を」、汚職撲滅へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 2
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空施設...「内部映像」が示すミサイルの威力
  • 3
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが物議...事後の悲しい姿に、「一種の自傷行為」の声
  • 4
    メーガン妃は「ブランドのバッグを喜んで受け取る人…
  • 5
    SNSで話題の「恐怖映像」に「心臓とまりそう!」の声…
  • 6
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 7
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    爆発と炎上、止まらぬドローン攻撃...ウクライナの標…
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 3
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」をHIMARSで撃破の瞬間
  • 4
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 5
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田…
  • 6
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 7
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 8
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中