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ジンベエザメを仕留めるシャチの「高度で知的」な戦略...巨大な獲物を狩る様子を研究チームが撮影

Killer Whales Caught Harvesting Organs From Largest Fish in the Sea

2024年12月8日(日)13時05分
トム・ハワース

シャチはジンベエザメ以外のサメも食べるのか?

体長10メートル近くに達することもあるシャチは、世界中に生息しており、極めて適応力の高い捕食者だ。当然ながら、ほかのサメを食べた記録もある。2024年に発表された別の研究では、カリフォルニア湾のシャチが、カマストガリザメやオオメジロザメなど、さまざまなサメを捕食している証拠が示された。

オオメジロザメは、体長3メートルを超える攻撃的なサメで、シャチにとっては大きな脅威になる可能性もある。

研究論文には、次のように書かれている。「海面での観察によると、1頭のシャチが、サメの側面に体当たりし、失敗してもすぐ再挑戦し、その後、上下逆さまになって尾で叩こうとした。これは、『ロブ・テーリング』または『テール・スラッピング』と呼ばれる狩りのテクニックだ」

一方、南アフリカでは、地球上で最も有名な捕食者の一つホホジロザメを捕食するシャチの姿が記録されている。

ORCAのバニーは、こう述べている。「高度に特殊化した、協調的かつ知的な補食戦略の例としては、シャチの群れが連携し、流氷の上にいたアザラシを氷から落とそうとして波を起こしたり、魚を囲い込んだ後で、強力なテール・スラッピングで驚かせたりする方法がある」
(翻訳:ガリレオ)

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