南米の環境保護、アマゾンに集中...砂漠や草原は関心薄く
アマゾン熱帯雨林以外の生物多様性地域は、農業や牧畜の拡大による圧力にも直面している。パンカラル氏は「中西部全体がアグリビジネスに転換している。大豆からトウモロコシ、畜産まで何でもだ」と語り、環境面の対策が行われていないと訴えた。
国際貿易規制でも、他の生態系に比べてアマゾンの熱帯雨林により多くの保護が与えられている。例えば、欧州連合(EU)は26年に森林伐採に関連する商品の輸入を禁止し、アマゾンなどの森林地帯を保護する予定だが、草原やサバンナなどの他の生態系は対象外となる。
やはりアマゾンの広大な熱帯雨林を擁するコロンビアでも、アマゾン以外の生態系の保全に気候変動対策資金がほとんど割り当てられていないと先住民リーダーのカミロ・ニーニョ氏は言う。同氏は、自身が暮らすシエラ・ネバダ山脈が、アマゾンの森林に水を供給する河川の水源として不可欠だと強調、「だから保護は全体的に行わなければならない」とした。
環境保護活動家のヤナ・ゲボルジャン氏は、森林以外の生態系についてはほとんど知られていないと指摘。「まだ十分に理解さえされていない生態系があり、その分布を世界的にマッピングできるだけの十分なデータが不足している」と述べた。
ゲボルジャン氏が率いる官民組織「地球観察グループ(GEO)」は先月、26年までに世界の生態系をすべて地図化することを目的とした「グローバル・エコシステムズ・アトラス・イニシアティブ」を開始した。
目的は、軽視されたり無視されたりすることの多い自然地域の健康状態を把握するためのデータ収集だ。
「孤立して存在している自然空間はひとつもない」と先住民リーダーのパンカルル氏は語った。
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