南米の環境保護、アマゾンに集中...砂漠や草原は関心薄く
また、国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、各国が二酸化炭素(CO2)排出削減の公約を達成するには、重要鉱物の市場価値が現在の約3250億ドルから30年までに55%増加する必要がある。
金からリチウムに至る鉱物需要の高まりは、世界の生物多様性にとって圧力の増大につながる。
無視された生態系
ブラジルでは、森林伐採の阻止やアマゾンの熱帯雨林の保護に多くの注目が集まり、資金援助も行われている一方で、その他の生物多様性に富む生態系はほとんど無視されてきた。
ブラジル北東部では熱帯乾燥林のカーチンガで、風力発電所や太陽光発電所など再生可能エネルギープロジェクトが拡大している。
「文字通り、私の領地の真ん中を横切って送電線が引かれている。これは長期的な影響をもたらすだろう」と、先住民のリーダー、クリスティアーネ・パンカルル氏は語った。
アマゾンの熱帯雨林は、ブラジル国内の他の生物多様性豊かな生態系と比較して、より手厚い法的保護を受けている。
環境保護と先住民の権利擁護を目的とする団体、社会環境研究所によると、ブラジルの保護地域の約80%はアマゾン熱帯雨林がある北部に位置している。
農地拡大から自然地域を守るための政府規制もアマゾンでは厳しく、農家は土地の80%の樹木を残すことが義務付けられている。ブラジルの他地域では、その割合が20%だ。