最新記事
環境保護

南米の環境保護、アマゾンに集中...砂漠や草原は関心薄く

2024年11月24日(日)11時43分

また、国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、各国が二酸化炭素(CO2)排出削減の公約を達成するには、重要鉱物の市場価値が現在の約3250億ドルから30年までに55%増加する必要がある。

金からリチウムに至る鉱物需要の高まりは、世界の生物多様性にとって圧力の増大につながる。


 

無視された生態系

ブラジルでは、森林伐採の阻止やアマゾンの熱帯雨林の保護に多くの注目が集まり、資金援助も行われている一方で、その他の生物多様性に富む生態系はほとんど無視されてきた。

ブラジル北東部では熱帯乾燥林のカーチンガで、風力発電所や太陽光発電所など再生可能エネルギープロジェクトが拡大している。

「文字通り、私の領地の真ん中を横切って送電線が引かれている。これは長期的な影響をもたらすだろう」と、先住民のリーダー、クリスティアーネ・パンカルル氏は語った。

アマゾンの熱帯雨林は、ブラジル国内の他の生物多様性豊かな生態系と比較して、より手厚い法的保護を受けている。

環境保護と先住民の権利擁護を目的とする団体、社会環境研究所によると、ブラジルの保護地域の約80%はアマゾン熱帯雨林がある北部に位置している。

農地拡大から自然地域を守るための政府規制もアマゾンでは厳しく、農家は土地の80%の樹木を残すことが義務付けられている。ブラジルの他地域では、その割合が20%だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

消費者態度指数、6月は+1.7ポイント 基調判断を

ビジネス

仮想通貨詐欺のネットワーク摘発、5.4億ドル資金洗

ビジネス

中国中古住宅価格、6月は下落幅拡大 新築も伸び鈍化

ワールド

訂正「農業犠牲にせず」と官房長官、トランプ氏コメ発
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中