【本誌独占インタビュー】トニー・ブレア英元首相が語る「中東和平への道」

BLAIR ON LEADERSHIP

2024年11月20日(水)16時23分
ナンシー・クーパー(本誌グローバル編集長)、クリストファー・ロバーツ(デジタル出版担当副社長)、バーニー・ヘンダーソン(コンテンツ・ディレクター)

つまり突破口が必要で、だからこそサウジアラビアとイスラエルとアメリカの交渉再開が非常に重要なのだ。交渉再開はイラン側の勢力に抵抗できるという自信につながる。結局、彼ら(イラン側の勢力)の狙いはイスラエル壊滅だ。しかし、それは実現不可能なので、絶えず紛争状態を生み出そうとしているのだ。

だから私は、欧米の進歩的左派の一部が、パレスチナ支持を主張しながら実際はイスラム主義のイデオロギーの影響を色濃く受けている人々と手を組んでいるのを見ると警戒する。そんなイデオロギーには進歩的なところなど全くない。それどころか女性を抑圧し、宗教法にのっとった司法制度が必要だと主張する。そんな暮らしを誰が望むだろう。


──イランの核兵器獲得はどのくらい危険だと思うか。

イランは核兵器を獲得するべきではない。核兵器獲得を確実に阻止するためにアメリカやイスラエルが何をするべきかは明らかだ。イランの核兵器獲得は世界にとって非常に危険で、中東での核軍拡競争に火を付けるだろう。それは確実だ。

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