トランプ「韓国の軍艦建造能力が必要」 中国との覇権争いへユン大統領に協力求める
こうしたなかで、トランプは、「アメリカの造船業は韓国の支援と協力を必要としている。韓国の世界的な軍艦船舶建造能力についてよく知っている。韓国の船舶輸出だけでなく補修・修理・整備といった分野で韓国と緊密に協力する必要がある。今後、具体的に話したい」と付け加えたという。
1期目では在韓米軍の経費分担金を5倍に増額することを要求するなど、韓国を振り回したトランプだったが、今回なぜ安全保障で韓国の協力を頼んできたのか? そこにはまさに「Great」ではなくなったアメリカの製造業の問題が関係している。
年間わずか6隻というアメリカの造船能力
世界トップの軍事大国であるアメリカだが、こと軍艦については心許ない状況にあるという。造船所の建造力では韓国、日本に劣っているからだ。現在、アメリカには主要な造船所は5カ所が残っているものの、各造船所の年間引き渡し数は平均1.3隻に過ぎないという。10月、米議会調査局が報告した資料によると、現在、米海軍の潜水艦の約30%が修理待機中という状況だ。
こういった船舶の補修・修理・整備といった作業=MRO(Maintenance、Repair and Overhaul)分野で韓国への期待が高まっているという。米国の立場では、海軍艦艇を外国の造船所で建造するのは法的制限のため難しいが、MRO分野では外国の支援が可能なためだ。
このため米海軍は2025年にモデル事業として外国の造船所に艦艇の修理を任せるという計画を立て、韓国をその優先候補国として協力依頼に拍車をかけている。カルロス・デル・トロ米海軍長官が2月に訪韓し、HD現代重工業とハンファオーシャンを視察。デルトロ長官はその後、帰国して韓国造船業能力に対して「船舶建造工程のデジタル化水準とリアルタイムモニタリングに呆然とした」と絶賛したという。