米大統領選挙の「選挙人制度」は世界の笑い者── どうして始まりなぜ変えられないのか?
The Electoral College Makes the U.S. a Laughingstock
この非常に愚かしい制度を変える方法は、ほとんどない。というのも、この制度は合衆国憲法で定められており、修正するには各州の議会で4分の3以上の賛成が必要になる。大統領選挙の勝敗を左右する激戦州の多くが、自分たちの特権を終わらせることに同意するはずがない。
考えられる打開策がひとつ。それは、全国一般投票州際協定(NPVIC)だ。不思議なことにあまり報道されていないこの構想は、憲法を改正することなく現実的な解決策を提供する。
NPVICとは、州の得票に関係なく、全国民の投票で勝利した候補者に選挙人票を与えるという州間の協定だ。この協定は、参加する州の選挙人の数が、大統領選挙の当選に必要な票数270に達した場合にのみ、発効する。
2024年現在、NPVICは16の州と首都ワシントンで制定されており、選挙人の数は合わせて209に達している。カリフォルニア州やニューヨーク州のような大規模な民主党支持者の多い州だけでなく、バーモント州やデラウェア州のような小さな州でも支持を集めている。
この協定を有効にするには、さらに61の選挙人票が必要だ。今後、加入する可能性があるのは、ミネソタ州(選挙人10票)、ネバダ州(選挙人6票)、メイン州(選挙人4票)、ミシガン州(選挙人15票)などだ。