分断と失望の大統領選に立ち向かうニューヨーカー
Election Exhaustion
自分の故郷の北アイルランドは困難な対話と妥協を受け入れたと語るコノリー KC CONNOLLY
<ニューヨーカーに大統領選の投票理由を聞いてみたら、二極化の悲哀の向こうにかすかな出口が見えた>
アメリカは2つの非常に対照的なビジョンのどちらかを選ぼうとしている。ドナルド・トランプ前大統領か、カマラ・ハリス副大統領か。国外でも多くの人が、アメリカ人の選択に注目している。
北アイルランドから来て長年ニューヨークで暮らす私は、ビッグアップルの住人にはシニシズムが染み付いていることを学んだ。それは奇妙なくらい魅力的でもあるが、この眠らない街は今、ことさらシニカルで暗澹としている。
ニューヨークは民主党の牙城で、有権者はリベラル寄りの感情が強いようだ。しかし、マンハッタンの街角で5人のニューヨーカーに話を聞いたところ、この街の多様性が見えるのと同時に、アメリカ人は将来についてそんなに楽観していないことが分かった。
ブロンクス生まれのマイケル・ベガは政治に悲観的で、大統領選の投票システムに異議を唱える。候補者ではなく州の選挙人を選ぶ仕組みは自分の票が「無駄」になると感じ、投票に行くつもりはない。
パラマウント・グローバルの重役シンシア・トーマスは、こうした無関心さに強く反発する。「私は黒人だ。私の家族は、選挙権のように私たちが当然のものと思いがちな自由を求めて懸命に戦ってきた。トランプのような人物はそれを簡単に奪える。私はハリスを全面的に支持する」