最新記事
米大統領選

今回も早々に「勝利宣言」か...トランプの作戦を左右する「赤い蜃気楼」とは?

2024年10月28日(月)15時47分
キャサリン・ファン
米大統領選、投票の様子

共和党支持者の期日前投票と郵便投票が増えたことはどう影響するか EMILY ELCONINーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

<2020年の米大統領選では票の集計が終わる前に「勝利宣言」をしたトランプ前大統領。今回もその作戦を取るかと思われるが、4年前とは共和党支持者の投票方法が大きく変化しており──>

アメリカ大統領選の「開票日」は、「開票週間」に変わった感がある。今年の大統領選で11月5日の投票日の夜に結果が全て判明することはないだろうと、専門家は予測している。前回の2020年も激戦州で票の集計が終わるまでに数日を要した。

しかし、今回の大統領選で返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領は、全ての票の集計が終わる前に勝利宣言をする可能性がある。バイデン大統領に敗れた4年前の大統領選でもそうだった。


4年前の選挙で集計が終わる前に勝利宣言をしたトランプ前大統領

開票作業では一般的に、当日に投票所で投票された票の集計が郵便投票や期日前投票の票より先に進む。加えて、これまでの傾向では、共和党支持者よりも民主党支持者のほうが郵便投票に積極的なケースが多かった。

その結果、開票プロセスの序盤では共和党候補がリードするが、最終的に民主党候補に逆転を許すということがしばしば起きてきた。共和党のイメージカラーの赤にちなんで、「赤い蜃気楼」と呼ばれる現象である。

今回の大統領選挙でそうしたことが起きれば、トランプは開票・集計結果に異議を申し立てて裁判を起こすだろう。

トランプは4年前、ジョージア州の当局者たちに対して、選挙結果をひっくり返せるだけの「票を探し出せ」と命令し、自身の支持者に対しては、選挙結果を「盗む」行為を阻止せよと呼びかけた。この呼びかけが21年1月の連邦議会議事堂襲撃事件につながったという指摘もある。

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アクティビスト、世界で動きが活発化 第1四半期は米

ワールド

フィンランドも対人地雷禁止条約離脱へ、ロシアの脅威

ワールド

米USTR、インドの貿易障壁に懸念 輸入要件「煩雑

ワールド

米議会上院の調査小委員会、メタの中国市場参入問題を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中