勝敗を分ける250万のムスリム票の行方、激戦州ミシガンには「8万2000人以上のレバノン系米国人」
Protest Votes from Muslim Americans
ムスリムには評判の悪いハリスだが、ユダヤ人社会からは全国的に強い支持を得ている。全米ユダヤ人民主会議(JDCA)による最近の調査では71%がハリス支持で、トランプ支持は26%にすぎなかった。
ちなみにバイデンは前回の大統領選でユダヤ人票の69%を集めたが、30%はトランプを選んでいた。微妙な違いだが、大統領選の勝敗を左右する激戦州では無視できない。
前回、トランプが7万4000票差で勝利したノースカロライナ州には、ムスリム有権者が少なくとも5万4000人、ユダヤ系有権者は推定で5万人いる。州全体ではトランプがやや優勢だ。
複雑なユダヤ系有権者の内情
ペンシルベニア州では4年前、バイデンがムスリム有権者のおよそ半数に当たる8万1000票を獲得し、勝利した。同州にはユダヤ系有権者も多く、約30万人はいる。
またJDCAが「投票に当たって最も重視する問題」を尋ねた全国規模の調査では、ユダヤ系有権者の半数近くがイスラエルよりも「民主主義の将来」を重視すると答えていた。JDCAが用意した11項目中、イスラエルは9位に沈み、人工妊娠中絶が2位、経済が3位だった。
アトランタ在住でユダヤ教徒のエスター・グラフラドフォードは、前回はバイデンに投票したし、今回も絶対にハリスに投票すると語った。検察官出身という経歴がいいし、現下のガザ戦争に関する発言も納得できるからだ。