最新記事
宇宙

無人の宇宙船スターライナーから「謎の脈動音」が響く...音声を捉えた動画がSNSで大きな話題

NASA responds to "strange noise" on Starliner after audio goes viral

2024年9月6日(金)18時28分
ジョーダン・キング
宇宙船スターライナーから奇妙な音が聞こえてきた

Keith J Finks/Shutterstock

<国際宇宙ステーションに係留中のスターライナー。無人のはずの船内から「ソナー音のような脈動音」がスピーカー越しに聞こえてきたと宇宙飛行士が報告>

国際宇宙ステーション(ISS)に係留中の米ボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」から発せられていた「奇妙な音」の正体が判明した。ISSの宇宙飛行士が報告したのは「ソナー音のような脈動音」。無人のはずのスターライナーから聞こえてきた謎めいた音を捉えた動画は、SNSにも投稿されて大きな話題となっていた。

■【動画】無人のはずの宇宙船の船内から「不気味な脈動音」が...ISSから報告された「謎の音」を捉えた音声動画

この謎の異音についてはISSに滞在中の宇宙飛行士ブッチ・ウィルモアが8月31日にヒューストンのミッションコントロールセンター(管制センター)に報告しており、その後この謎の音の録音がソーシャルメディア上にも出回っていた。

ウィルモアは管制センターへの通信の中で「スターライナーについて質問がある」と切り出し、「スピーカーから奇妙な雑音が聞こえてくる。その原因が分からない」と述べた。これに対して管制センターは「ソナー音のような脈動音」だと答えた。

NASAの広報担当者であるシェリル・ワーナーは本誌に対して、「国際宇宙ステーションに滞在中のNASA宇宙飛行士ブッチ・ウィルモアがボーイング社の宇宙船スターライナーのスピーカーから聞こえてくると言っていた脈動音は止まった」と述べた。

謎の音はスピーカーのフィードバック音と発表

「スピーカーのフィードバック音は、宇宙ステーションとスターライナー間の音声設定によるものだった。宇宙ステーションの音声システムは複雑で、複数の宇宙船やモジュールを接続する際にノイズやフィードバック音が発生するのはよくあることだ。乗組員は、通信システムから何らかの音が聞こえた場合には管制センターに連絡することになっている」

「ウィルモアが報告したスピーカーのフィードバック音が、乗組員やスターライナー、宇宙ステーションの運用に技術的な影響を及ぼすことはない。スターライナーは9月6日の金曜日以降に無人で宇宙ステーションを離れる予定だが、これにも影響はない」

ウィルモアとスニタ・「スニ」・ウィリアムズ両宇宙飛行士は6月に国際宇宙ステーションに到着した後、さまざまなトラブルにより同ステーションへの滞在が予定外に延長されている。

こうしたなかで週末、ウィルモアがジョンソン宇宙センターの管制センターに「奇妙な音」を報告していた。映像には、ウィルモアがヒューストンの管制官に「スピーカーから奇妙な音が聞こえる」と伝え、管制センターの方で原因を確認できるか尋ねる音声が記録されている。

「何が原因か分からないが、こちらとそちらの間の接続が原因なのだろうか」とウィルモアはさらに続けた。そして彼がマイクをスターライナーのスピーカーの近くに置くと、管制官はその音について「ソナー音のような脈動音」に聞こえると述べた。

ウィルモアがもう一度、問題の音を再生すると管制官は「しっかり確認できた。この録音をチームに渡して、結果が分かったら知らせる」と伝えた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米トラック労組、大統領選でいずれの候補も支持せず

ビジネス

米金利先物、年内の追加利下げの見方強まる FOMC

ビジネス

トランプ氏「大きな利下げ」、FRB決定受け

ワールド

ドイツの対イスラエル武器輸出、訴訟対応で一時停止
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁断の韓国ドラマ」とは?
  • 2
    「ポケットの中の爆弾」が一斉に大量爆発、イスラエルのハイテク攻撃か
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に…
  • 5
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 6
    「トランプ暗殺未遂」容疑者ラウスとクルックス、殺…
  • 7
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 8
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 9
    この「自爆ドローンでロシア軍撃破の瞬間」映像が「…
  • 10
    岸田政権「円高容認」の過ち...日本経済の成長率を高…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 9
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 10
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 5
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 9
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 10
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中