自民党総裁候補の高市氏「緩和は我慢して続けるべき、低金利を続けるべき」 追加利上げをけん制
高市早苗経済安全保障担当相は14日、日本記者クラブ主催の自民総裁候補討論会で、「金融緩和は我慢して続けるべき、低金利を続けるべき」と主張し、日銀による追加利上げをけん制した。写真は9月14日、東京で撮影(2024年 代表撮影)
高市早苗経済安全保障担当相は14日、日本記者クラブ主催の自民総裁候補討論会で、「金融緩和は我慢して続けるべき、低金利を続けるべき」と主張し、日銀による追加利上げをけん制した。
足元の物価上昇はエネルギーや食料価格によるコストプッシュ型であり、「生産性、給料、購買力も上がる好循環を作りたい」と語った。
加藤勝信元官房長官も金融政策の正常化について「金利は動くものだが、足元の経済を見て慎重にやりたい」と述べた。
財政問題については、高市氏が「資産と債務を合わせてネットで見るとG7(主要7カ国)の中で2番目の健全性」との持論を展開する一方、河野太郎デジタル担当相は「遅かれ早かれ金利が徐々に上がっていく中で、利払いが増えていく」とした上で、財政収支の議論をすべきと訴えた。
また、米政府が安全保障上の懸念を強めている日本製鉄の米USスチール買収に関し、小泉進次郎元環境相は「日米が対立をするのではなく、日米がともに向き合うべき課題」と指摘。鉄鋼の過剰生産を続けた中国によるダンピング(不当廉売)に対して協調する必要があるとした。
茂木敏充幹事長は、米国の新大統領が決まったら就任前に会うとし、「今は選挙中なのでUSスチールの問題なども出ているが、相互投資をしていくのは良いことといった議論をしていきたい」と話した。
討論会は外交・安全保障問題にも及び、小泉氏は「(中国は)一党独裁から一人独裁になりつつある」と述べ、習近平国家主席とのトップ外交に意欲をみせた。また、北朝鮮による拉致問題について、父親の小泉純一郎元首相が故・金正日総書記と会談したことに触れつつ、「トップ(の金正恩氏)と同世代、前提条件を付けない新たな対話の機会を模索したい」と語った。
衆議院の解散・総選挙の時期について小泉氏が「できる限り早期に」と改めて表明したのに対し、石破茂元幹事長は「解散というのは衆議院議員がこの国からいなくなる。世界情勢がどうなるか分からないのに、すぐ解散するという言い方を私はしない」と話した。
小泉氏は出馬会見で掲げた解雇規制の緩和について「緩和でなく見直し」と説明し、労働市場の流動化が目的と説明した。
討論会には総裁選に立候補している小林鷹之前経済安保担当相、林芳正官房長官、上川陽子外相も参加した。
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