台湾「第3の党」トップまさかの逮捕で広がる混乱...「クリーンで若者に人気」柯文哲に何があったのか?
Dramatic Corruption Claims
民衆党が唱える謀略説
一方、黄珊珊は政治資金の不記載で詰め腹を切らされたにもかかわらず、柯からは今なお重用されているようだ。柯の妻が釈放された際に出迎えに行ったのは黄だった。
柯自身も、釈放後に帰宅する前にまず黄の家に向かった。こうしたことからも、黄がまだ民衆党内で重要な役割を担っていることがうかがえる。
柯は、今後さらに罪に問われる可能性もある。投資計画がなかったにもかかわらず、台湾の新光集団に北投士林科技園区の2区画の購入を許可した疑いも持たれている。
民衆党の副総統候補だった呉欣盈(ウー・シンイン)が新光集団の経営者一族の出身であるため、政治的な便宜を図った可能性もある。
さらに疑惑を持たれているのが、台北万華区にある青果卸売市場プロジェクトだ。同事業には京華城の関連企業が関与している。
さらに柯は、選挙補助金を台湾議会に近い場所にある高額な事務所の購入費に流用したとみられており、非難を浴びている。民進党の頼清徳(ライ・チントー)と国民党の侯友宜(ホウ・ヨウイー)は、総統選後に補助金を党に返還するか、慈善団体に寄付している。
柯の妻に対しては、民衆党本部が入っている建物内でカフェを開く資金を得るため、息子名義で不正融資を受けた疑いも浮上している。
さらに民衆党は、柯の渡米に際してレンタカー費用として約90万台湾ドルを使った疑いでも批判の的になっている。
こうした非難の嵐が吹き荒れていることを考えると、柯の今後は不透明だ。
台湾で有罪の可能性に直面している著名な政治家は柯だけではない。民進党で重職を担っていた鄭文燦(チョン・ウエンツァン)は、先の総統選で候補の座を頼と争っていたが、その後、失脚。収賄罪で12年以下の懲役刑を受ける可能性に直面している。
今の台湾では、民進党を中心とする「泛緑」陣営にも国民党を中心とする「泛藍」陣営にも、検察の捜査対象となった政治家がいる。検察としても世論は気になるから、特定の陣営に肩入れしているような印象は与えたくない。
それでも民衆党が、一連の逮捕は与党・民進党による政治的謀略だとの主張を取り下げることはなさそうだ。
From thediplomat.com
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