最新記事
トランプ

トランプとマスクのX対談、「首切り委員会」で意気投合

Donald Trump Cheers Elon Musk Over Firing Workers: 'You're the Greatest!'

2024年8月14日(水)17時14分
アイラ・スリスコ
トランプとマスクのXアカウント

マスク(左)とトランプのXアカウント Photo by Jakub Porzycki-NurPhoto

<大統領選でトランプの再選を支持するマスク、トランプが再選されたら共に連邦政府職員の大規模リストラに参加したいと申し出た>

ドナルド・トランプ前大統領は、テック企業の大富豪イーロン・マスクとXの音声サービス「スペース」で長時間に渡って対談し、トランプは労働条件について不平を言う労働者は即座に解雇するというマスクを賞賛した。

マスクとトランプは8月12日の夜、X(旧ツイッター)のスペースで2時間近くにわたって音声のみの対談を行った。マスクが2022年後半に購入したXの一連の技術的不具合のため、対談は40分以上遅れて始まったが、その後、2人は多くの話題に触れた。

トランプの2024年大統領選再選を支持するマスクは、第2次トランプ政権が発足した場合、「政府効率化委員会」を設置することを望んでおり、その委員会に自らも志願すると述べた。

トランプは、マスクの従業員への対応を称賛した。

「あなたのやり方は気に入った。最高だ。従業員の前で『君らは辞めたいのか』と言うだけだ。会社名は伏せるが、ストライキを行った従業員に、あなたは、『問題ない。君たちはみんないなくなる』と解雇した」

マスクが苦笑すると、トランプは「あなたは最高だ」と言い、こう付け加えた。「あなたは(提案された委員会に)ぴったりの人材だよ。ああ、きっと気に入るよ」

ハリス陣営はすぐに反応

カマラ・ハリス副大統領の選挙陣営はすぐこの発言に飛びついた。対談が終わる前に、このやりとりのクリップとコメントをXに投稿した。

「トランプは億万長者のイーロン・マスクが、賃金と労働条件の改善を求めてストライキを起こした労働者を解雇したことを称賛している」と、ハリス陣営は共有した音声クリップにコメントをつけた

ハリス陣営のスポークスマン、ジョセフ・コステロはその後、この対談に関する声明を発表。トランプとマスクのことを「中産階級を売り渡し、2024年の今、ライブ配信もまともに扱えない自己中心的な金持ち連中」と嘲笑した。

マスクは、ライブ配信の開始が遅れたのは「Xへの大規模なDDOS(分散型サービス妨害)攻撃」のためだと主張した。だがサイバーセキュリティ監視団体のネットブロックスなどの企業は、マスクの主張に懐疑的な見方を示し、DDoS攻撃であれば通常ウェブサイト全体に影響を及ぼすはずだと指摘した。

マスクとトランプの対談が行われた13日、二人の対談開始が遅れた時間帯もXの他の部分は順調に運営されていたようだ。

トランプは対談の同時視聴者は100万人から140万人にのぼり、マスクは「あらゆる記録を塗り替えた」と主張した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、中距離ミサイルシステムの比配備維持 対中抑止で

ワールド

レバノンでまた通信機器爆発、20人死亡 日本製トラ

ワールド

中国、欧州のEV反補助金調査で「最後の瞬間」まで協

ビジネス

米ウェイモ、自動運転タクシーの製造で現代自と協議=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 2
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁断の韓国ドラマ」とは?
  • 3
    「ポケットの中の爆弾」が一斉に大量爆発、イスラエルのハイテク攻撃か
  • 4
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 5
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 6
    「トランプ暗殺未遂」容疑者ラウスとクルックス、殺…
  • 7
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 8
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 9
    岸田政権「円高容認」の過ち...日本経済の成長率を高…
  • 10
    米大統領選を左右するかもしれない「ハリスの大笑い」
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 9
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 10
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 5
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 8
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 9
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 10
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中