カナダ総選挙、与野党が最後の訴え トランプ氏対応争点

28日のカナダ総選挙を控え、カーニー首相と最大野党・保守党のポワリエーブル党首は27日、有権者に最後の訴えをした。オンタリオ州ミシサウガで26日撮影(2025年 ロイター/Carlos Osorio)
Promit Mukherjee Allison Lampert
[サスカトゥーン(サスカチュワン州) 27日 ロイター] - 28日のカナダ総選挙を控え、カーニー首相と最大野党・保守党のポワリエーブル党首は27日、有権者に最後の訴えをした。5週間の選挙戦は、トランプ米大統領が課した関税とカナダ併合の脅しへの対応が主要な争点となった。
ただ、選挙戦最終日は西部バンクーバーでフィリピン系住民の祭りの群衆に車が突っ込み、少なくとも11人が死亡した事件が影を落とした。事件が選挙に影響を及ぼすかは不明。両候補とも国内のフィリピン人コミュニティーに哀悼の意を表明した。
ポワリエーブル氏はオンタリオ州でのイベントで事件の悲惨さに言及。支持者らはその後、「われわれは変化を求める」と唱え、トルドー前首相の下で10年近く続いた自由党政権に代わる新たな勢力が必要だと強調した。
同候補は対外援助を縮小するほか、米国の関税が続く間はカナダ製自動車に対する連邦売上税を廃止すると公約している。
カーニー氏はサスカチュワン州で支持者の集会に出席。前日にはオンタリオ州で、米関税で引き起こされた危機に対応するには自身が最適な人物だと訴えた。
世論調査では自由党が僅差でリードしている。27日発表のナノスの調査によると、自由党の支持率は43%で、保守党(38.9%)との差は約4%ポイント。イプソス・カナダが同日公表した調査でも自由党が4ポイントリードした。