越境攻撃に不意を突かれたプーチン、「俺は騙された」と激怒、犯人探しが始まった
Putin Seeking to Find Out 'How and Why He Was Deceived' over Kursk: ISW
加えてプーチンは、クルスク州の情勢について正確な情報が伝えられなかったことで、配下の人間に「騙された」と感じており、その理由や経緯を探るためデュミンを監視役にしたと、軍事ブロガーらは指摘。デュミンの報告しだいで、何人かの政府高官と指揮官のクビが飛ぶともささやかれている。
ロシアの軍事ジャーナリスト、アレクサンドル・スラドコフは13日にメッセージアプリ・テレグラムへの投稿で、デュミンは「プーチンの懐刀」であり、「直接的にも間接的にも大統領を騙すような行為を決して許さないだろう」と警告した。
デュミンの起用をめぐり、さまざまな憶測が飛び交う一方で、ロシア軍のバレリー・ゲラシモフ参謀総長は非難の矢面に立たされている。
ロシア情報当局はウクライナ軍が同国北東部スームィ州の国境地帯に兵力を結集し、越境攻撃を準備していることを察知して、警告したにもかかわらず、ゲラシモフが対応を怠った、というのだ。
ニュースサイトのブルームバーグは8日、クレムリンに近い匿名情報筋の話として、クレムリン高官はゲラシモフの対応に不満を募らせていると伝えた。
先週、ウクライナ軍がクルスク州の集落を次々に掌握し、制圧地域を広げる中、テレグラムのロシア人チャンネルではゲラシモフの「無能ぶり」を非難する声が渦巻いた。
アメリカは関与せず
ウクライナ軍は越境攻撃開始から1週間足らずで、ロシア軍が今年初め以降に獲得したウクライナ領内の占領地域よりも広大な地域を支配下に置いたと伝えられている。
ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は自軍が作戦を展開するクルスク州内の地域は12日までに1000平方キロを超えたと発表した。
ジョー・バイデン米大統領は13日、ウクライナ軍の越境攻撃は、プーチンに「深刻なジレンマ」をもたらしたと述べた。「戦闘が続く今の状況で、私に言えるのはそれだけだ」
カリーヌ・ジャンピエール米大統領報道官は、アメリカはこの作戦に「全く関与していない」と記者団に語った。
「私たちは一切関わっていない。ウクライナ側とは彼らのアプローチについて引き続き話し合うが、質問があるなら、彼らに聞いてほしい」
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