ボーイング墜落事故の遺族が憤慨...司法取引で決着とは「甘すぎる」
2024年8月5日(月)14時13分
上院の公聴会で証言したカルフーンCEO(右、6月) ALLISON BAILEYーNURPHOTOーREUTERS
<システムの安全性をめぐり航空当局を欺いた詐欺罪での有罪を認め、罰金を支払う司法取引に最終合意したボーイング社だが...>
米航空大手ボーイングの小型機737MAXが2018年にインドネシア、19年にエチオピアで墜落し、計346人が死亡した事故をめぐり、同社の刑事責任の追及が一定の区切りを迎えた。
ボーイングは21年にコンプライアンス対策の強化を条件に訴追を猶予されていたが、米司法省は今年5月に同社が合意に違反したと発表。
7月24日、ボーイングはシステムの安全性をめぐり航空当局を欺いた詐欺罪での有罪を認め、2億4360万ドルの罰金を支払う司法取引に最終合意した。
さらに対策の強化に3年間で4億5500万ドルを投資し、安全や品質を監視する独立監督官を3年間受け入れることも定められた。
とはいえ、これで一件落着とはいかない。遺族らは裁判を回避した決着を「甘い」と批判し、裁判所に異議を申し立てる見込みだ。
また民事訴訟が続いている遺族は賠償金よりもボーイング機の安全性に関心があり、法廷での刑事責任の追及を望んでいる。