最新記事
ウクライナ戦争

ドローン「連続攻撃」で、ロシア戦闘車が次々に爆発する映像...ドネツク州めぐる戦闘での損失は拡大

Russian Assault Convoy Destroyed in Precision Aerial Attack

2024年8月3日(土)07時15分
イザベル・ファン・ブリューゲン
ウクライナ軍ドローンがロシア軍用車列を攻撃

@DefenceU/X

<ウクライナ軍のドローン攻撃がロシアの戦闘車の列を撃破。ウクライナ東部では今も戦闘が激化しており、両軍の兵力と装備の損失は拡大し続けている>

ウクライナ軍は、空中からの正確な攻撃でロシア軍の戦闘車両を車列ごと破壊した様子だという動画を公開した。映像には、ウクライナ国内とされる土地を列になって走るロシアの軍用車両にドローンが連続して突撃し、自爆攻撃を仕掛ける様子が収められている。車両が次々に木端微塵に吹き飛ぶシーンもある。

■【動画】ロシア戦闘車に、上空から「連続」で襲い掛かるドローン群...「車列ごと破壊」のシーンをウクライナ軍が公開

「ロシアの攻撃は、またしても失敗に終わった」。ウクライナ国防省は7月29日、X(旧ツイッター)で動画を共有し、このように投稿した。動画を撮影したのは、ウクライナ陸軍第59独立自動車化歩兵旅団とされている。

ウクライナ最高議会の議員で、最高議会国家安全保障防衛情報委員会の副委員長を務めるユーリー・ミシアジンはこの動画について、ウクライナ東部ドネツク州のクラスノホリフカで、ロシア軍戦闘車両の車列が破壊される様子を撮影したものだと述べている。

動画にはウクライナ軍がロシア軍の標的を攻撃し、爆発が起こり、煙が立ち上る様子が映っている。この動画がいつどこで撮影されたかについて、本誌は独自に検証できなかった。

ドネツク州とルハンスク州を合わせた地域は、ドンバス地域と呼ばれている。ロシア軍は2014年、ウクライナ東部に最初に侵攻して以来、両州の完全制圧を目指して攻勢を強めてきた。

ウクライナ東部で戦闘が激化し双方の損失が拡大

ウクライナ東部では戦闘が激化しており、ロシアとウクライナはともに、兵力と装備の大きな損失を出している。ウクライナはロシアと同様、自国の死傷者数に関する最新情報をほとんど公表していない。開戦から1年余りの2023年4月にリークした米国防情報局(DIA)の評価によれば、ウクライナは12万4500~13万1000人の死傷者を出しており、そのうち1万5500~1万7500人が死亡したとされている。

ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍が被った兵力と装備の損失を日々発表している。7月30日付の最新情報によれば、ロシア軍は過去24時間で46基の自走榴弾砲を失い、損失の合計は1万6056基となった。

また、ウクライナ軍はこの最新情報において、ロシアは過去24時間で1060人の兵士を失い、損失の合計は57万7060人になったと述べている。

さらにウクライナ軍によれば、ロシア軍はこの戦争で、装甲戦闘車両1万6141両、戦車8381両、車両および燃料タンク2万1687両、対空戦システム906基、軍用機363機、ヘリコプター326機、軍艦28隻を失っている。

ロシア国防省は7月29日付の最新情報で、ロシア軍はこれまでに、ウクライナの航空機631機、ヘリコプター278機、無人航空機2万8647機、対空ミサイルシステム556基、戦車およびそのほかの装甲戦闘車両1万6714両、多連装ロケットシステムを搭載する戦闘車両1392両、野戦砲および迫撃砲1万2535門、特殊軍用車両2万4178両を破壊したと述べている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ関税、英ではインフレよりデフレ効果=グリー

ワールド

ロシア中銀、金利21%に据え置き 貿易摩擦によるイ

ビジネス

米、日本などと「代替」案協議 10%関税の削減・撤

ワールド

トランプ氏側近特使がプーチン氏と会談、ロシア「米ロ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 3
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 4
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 8
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中