最新記事
米大統領選

バイデン撤退で始動した「ハリス大統領」へのカウントダウン

Joe Biden Drops Out of Presidential Election, Endorses Kamala Harris

2024年7月22日(月)15時52分
ジェニ・フィンク、ジェーソン・レモン
カマラ・ハリス副大統領

初の女性大統領が誕生するか?(2021年6月3日、ホワイトハウス) REUTERS/Evelyn Hockstein

<ジョー・バイデン大統領が大統領選から撤退を表明し、カマラ・ハリス副大統領を後任候補として全面的に支持するとした。民主党は8月の党大会前に新しい大統領候補を一本化できるか>

ジョー・バイデン大統領は7月21日、2024年の大統領選で再選を目指さず、カマラ・ハリス副大統領を民主党の大統領候補として支持すると発表した。 バイデン大統領の決断は、民主党内や党の主要献金者から、党の将来のために身を引くよう求める圧力が数週間にわたって高まっていたことを受けたものだ。

この発表は、民主党が新たな候補者を選出するために迅速に組織化しなければならなくなったことを意味し、選挙情勢に大きな変化をもたらしている。 

「みなさんの大統領を務められたことは、私の人生で最大の栄誉だった。再選を目指すつもりだったが、私が身を引き、残る任期は大統領としての職務を全うすることが、民主党にとっても、国にとっても最善のことだと信じている」と、バイデンはソーシャルメディアに投稿した撤退表明の中で述べた。「今週中に、自分の判断についてさらに詳しく、国民に語るつもりだ」

【動画集】G7でアメリカ人は見た!バイデン大統領は2期目が務まる年齢か?

バイデンはその後の投稿で、ハリスを後継候補として推薦した。

「2020年の選挙戦で最初に決めたのは、カマラ・ハリスを副大統領候補に選ぶことだった。それは私の最高の決断だった。今日、私はカマラがわが党の指名候補になることを全面的に支持する。今こそ団結してトランプを倒す時だ」とバイデンは書き、ハリスと一緒に写った写真も添えた。

民主党は予備選再開

ドナルド・トランプ前大統領はCNNに対し、バイデン撤退の発表直後、バイデンは「わが国史上最悪の大統領だ。彼は歴史上、圧倒的に最悪の大統領として語り継がれるだろう」と語った。トランプはまた、ハリスが相手のほうが簡単に勝てるとも言った。

トランプが副大統領候補に選んだ共和党のJ.D.バンス上院議員(オハイオ州)は、21日にソーシャルメディアでハリスとバイデンを非難した。

「ジョー・バイデンは私の生涯で最悪の大統領であり、カマラ・ハリスはあらゆる局面で、バイデンと共にいた」とバンスは語った。

バイデンが選挙戦から離脱したことで、民主党は新たな大統領候補選びに直面している。最も簡単なのは、バイデンの代わりにカマラ・ハリス副大統領を後任として起用することだ。彼女はすでに米連邦選挙委員会(FEC)に必要な届出を済ませており、バイデン陣営が確保した選挙資金にアクセスすることができる。

また、バイデン陣営は撤退発表に先立ち、ハリスが11月の一般投票で勝つ力があるかどうか世論調査を行って確認したと伝えられている。

バイデン撤退でまず起きるのは、民主党予備選の再開だ。民主党全国委員会(DNC)は、新たな候補者を指名するための迅速かつ組織的なプロセスを急ぐ必要がある。民主党幹部や新たな候補者が指名争いに名乗りを上げれば、熾烈な争いになるかもしれない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

相互関税「即時発効」と米政権、トランプ氏が2日発表

ビジネス

TikTok米事業、アンドリーセン・ホロヴィッツが

ワールド

米・エジプト首脳が電話会談、ガザ問題など協議

ビジネス

米国例外主義に幕、海外への分散投資が適切=PIMC
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中