最新記事
乱気流

「天井に人が刺さった」「垂直に落ちた」── 再び起きた「超」乱気流と恐怖と混乱の機内

1,600 Feet in 8 Seconds: Air Europa Passengers Recount Horror of Severe Turbulence

2024年7月3日(水)18時43分
ジーザス・メサ
気流にぶつかり緊急着陸して激しく損傷したエア・ヨーロッパの機内

乱気流にぶつかり緊急着陸して激しく損傷したエア・ヨーロッパの機内と出口に向かう乗客(7月1日、ブラジルのナタール) @PICHIPASTOSO VIA X via REUTERS

<激しい乱気流による緊急着陸といえば、5月にシンガポール航空の事故(心臓発作で1人死亡)があったばかり。気候変動のせいで、乱気流のリスクが増大している可能性もあるという>

スペインのエア・ヨーロッパは7月2日、同社がブラジルのナタール空港に送り込んだ飛行機が現地に到着したと発表した。これは、前日の1日にブラジルに緊急着陸していた、大西洋を横断するフライトの乗客を移送するための飛行機だ。この緊急着陸では、激しい乱気流を受けて、30人以上の乗客乗員が負傷していた。

【動画】乱気流による揺れの激しさがありありと伝わる機内の様子を映した動画

7月1日の早朝、スペインのマドリードからウルグアイのモンテビデオに向かっていたエア・ヨーロッパのUX045便は、大西洋上空で激しい乱気流に遭遇。ブラジルのナタール空港に緊急着陸した際、30人以上が負傷した。

機体は「ボーイング787ドリームライナー」で、乗客乗員325人が乗っていた。

newsweekjp_20240703075900.png

この事故で、男性1人が鼻中隔を骨折し、女性1人が肋骨を骨折して呼吸に補助が必要になった。23人がブラジルのワルフレド・グージェウ病院で手当てを受け、うち2人は重症だった。

エア・ヨーロッパによると、同機のパイロットは乗客に対し、レーダーでは捉えられない乱気流の発生が予想されることから、シートベルトを締めるよう指示していたという。

「人が空中を飛ぶのを見た」

乗客たちは地元メディアに、事故が発生したときの混乱と恐怖を振り返っている。「シートベルトを締めていなかった人たちは空中に放り出され、中には天井に体を打ちつけている人もいた」と、ある乗客は現地紙「エル・オブセルバドール」に語っている。ソーシャルメディアに投稿された写真では、座席に血がついたような様子も見える。


客室から撮影された動画では、首にギプスをつけた乗客や、通路に仰向けに横たわった乗客が見える。頭上の荷物入れから足だけが見えている男性もいた。なぜ頭上の荷物入れに体を突っ込むことになったのか、男性はのちにウルグアイのニュース番組「スブラヤード」に語った。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

スウェーデン、バルト海の通信ケーブル破壊の疑いで捜

ワールド

トランプ減税抜きの予算決議案、米上院が未明に可決

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、2月50.2で変わらず 需要低

ビジネス

英企業、人件費増にらみ雇用削減加速 輸出受注1年ぶ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 9
    ハマス奇襲以来でイスラエルの最も悲痛な日── 拉致さ…
  • 10
    ロシアは既に窮地にある...西側がなぜか「見て見ぬふ…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 8
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 9
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中