バイデン大統領の討論会「大失敗」は側近の判断ミス
バイデン米大統領が6月27日の大統領選討論会で「大失敗」した背景には、最上級顧問らによる一連の判断ミスがあったとみられることが、民主党関係者や献金者、現・元側近らの話で明らかになった。写真はアトランタで討論会に臨むバイデン氏(右)とトランプ氏(2024年 ロイター/Brian Snyder)
バイデン米大統領が27日の大統領選討論会で「大失敗」した背景には、最上級顧問らによる一連の判断ミスがあったとみられることが、民主党関係者や献金者、現・元側近らの話で明らかになった。
討論会でトランプ前大統領(78)は、いつものように目に余るような虚偽発言を繰り返した。ところがバイデン氏(81)はそれらに反論できないばかりか、言葉もたどたどしく、民主党内からは再選を断念すべきだとの声や、側近の反省や辞任を求める声が噴き出した。
ある人物は討論会の数日前、バイデン氏の最側近らに同氏を休ませるよう頼んだが聞き入れられなかったと話す。「私が唯一お願いしたのは、討論会の前に彼を休ませてほしいということだったが、彼は(当日)疲れ切っていた。体調を崩していた。病んで疲れ切っているように見える彼を送り出すとは、なんという判断ミスだろう」
もっと鋭い批判もある。
バイデン氏の主要な献金者である弁護士のジョン・モーガン氏は「(事前の)アドバイスと練習が過剰だったと私は思う。そして(上級顧問の)アニタ・ダン氏は、トランプ氏を有利にする舞台にバイデン氏を立たせてしまったのだと思う」と語る。
モーガン氏は、ダン氏や他の側近を「永久に解雇し、二度と選挙運動に近づけさせない」ようにすべきだとの考えを示した。
バイデン氏の討論戦略は、2020年の大統領選で同氏の勝利を助け、今年1月に選挙対策委員長に任命されたジェン・オマリー・ディロン氏の承認を受けている。長年にわたるバイデン氏の側近で、オバマ元大統領の選挙参謀も務めたダン氏がその戦略を支持した。
討論会に臨むバイデン氏陣営は自信に満ちていた。トランプ氏は5月31日に有罪評決を下された。そしてバイデン氏らの側近らも驚いたことに、世論調査でずっと低迷から抜け出せなかった同氏の支持率が、その後の数週間でじりじりと上がり始めていたからだ。
顧問らは、バイデン氏がワシントン近郊の山荘「キャンプデービッド」に6日間缶詰になるという厳しい討論会準備スケジュールを組んだ。
準備に関与したのは、バイデン氏の最初の大統領首席補佐官を務めたロン・クレイン氏、前出のダン氏、長年の側近マイク・ドニロン氏などのほか、政策・政治専門家約12人だった。
バイデン氏陣営は28日、スタッフの交代は検討していないと述べた。
オマリー・ディロン氏は29日に支持者に宛てた電子メールで、内部調査などによると討論会後、激戦州において有権者の見方に変化はなかったと主張。「メディアの大げさな表現ぶり」が「世論調査の一時的な落ち込み」を引き起こすかもしれないが、バイデン氏が11月に勝利することを確信しているとした。
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