バイデン大統領の討論会「大失敗」は側近の判断ミス
事実とつっこみ
最近の外遊、特に6月のフランス訪問におけるバイデン氏の様子を見て、共和党側はソーシャルメディアで同氏の年齢を揶揄する動画を流した。しかしバイデン氏陣営は、国際舞台における強力な指導者ぶりをアピールできたとも考えていた。
6月21日にキャンプデービッドに向かう際、バイデン氏に同行した補佐官たちは上機嫌だった。バイデン氏が最も貴重な政治的資産、つまり「勢い」、「追い風」を背に討論会に臨むと信じていたからだ。
バイデン氏は、地元デラウェア州の別荘で数日間休養するまでの14日間、フランス、イタリア、西海岸などを飛び回っていた。この間、バイデン氏を見た何人かの人々によれば、同氏はぐったりしていたという。
討論会の6日前、バイデン氏とともにキャンプデービッドに着いた側近らは、討論会でのハードルは同氏の方がトランプ氏よりも高いと考えた。トランプ氏は現政権に文句を言うだけでいいかもしれないが、バイデン氏は「ファクト(事実)」を示しつつ当意即妙な指摘も入れる必要がある。
側近らは、トランプ氏が2020年の討論会よりもはるかに準備万端で臨むだろうと考え、矢継ぎ早に飛び出す嘘に対抗する必要があると判断した。
長時間にわたる準備セッションで、側近らはバイデン氏に詳細なファクトに関する質問を浴びせかけ、続いて模擬討論も行った。
この準備を批判する向きからは今、バイデン氏はもっと大きなビジョンに焦点を当てるべきだったし、討論会前に十分な休息を取っていなかったとの声が出ている。
側近によれば、バイデン氏は軽い風邪も引いていた。時差のある場所で長期間仕事をした後には、よくあることだったという。
批判派に言わせれば、その結果としてバイデン氏は最悪の状態で討論会に臨むことになった。
討論会参加の是非
今年初め、バイデン氏の側近の間では、トランプ氏との討論自体を避けるべきだとの意見があった。バイデン氏を不利な立場に追い込む舞台をトランプ氏に与えるだけだから、という理屈だった。
しかしバイデン氏自身が4月のインタビューで、討論会に出ると表明。これは一部の側近にとって驚きだった。
討論会翌日の28日、バイデン氏は前進を誓ったが、ダメージは大きい。
民主党のジェイミー・ラスキン下院議員は6月30日、バイデン氏に代わる大統領候補者について議論しているかというMSNBCの質問に「わが党のあらゆるレベルで、真摯(しんし)で真剣、激しい議論が行われている。政党なので、意見の相違はある」と答え、「候補者が彼(バイデン氏)でれ、別のだれかであれ、党大会の基調講演は彼が行うことになる」と付け加えた。
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