最新記事
ドローン

貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン発射システムが劣勢を引っ繰り返す

Modified Shipping Container Can Launch Swarm of Kamikaze Drones

2024年6月24日(月)17時49分
ジーザス・メサ

ドイツの防衛企業ラインメタルが開発したコンテナ型ランチャーから自爆ドローン「Hero」が発射されるイラスト(イメージ) RHEINMETALL

<計126個の発射用セルに自爆型ドローンを格納したコンテナ型発射システムをドイツとイスラエルの企業が開発>

ドイツの防衛企業ラインメタルが、イスラエルの徘徊型自爆ドローン「Hero」の新たなコンテナ型発射システムを発表した。徘徊型とは、敵地上空を徘徊して、標的を発見すると突っ込んで破壊する自律型ドローンのことだ。

【動画】ウクライナ女性のパスポートをドローンで確認したウクライナ軍のプロフェッショナルぶり

完成モデルを共有した軍事専門メディア「The War Zone(ザ・ウォー・ゾーン)」によれば、同システムは輸送用コンテナを改造したもので、42個の発射用セルで構成された3つのブロック、つまり計126個の発射用セルを備えている。このような構成にすることで作戦の柔軟性が大幅に向上し、さまざまなドローン用のプラットフォームに対応できるという。

 

このコンテナ型発射システムは、ラインメタルとイスラエルの企業UVisionが提携し、精密誘導兵器の需要の高まりに対応することを目的として開発した。

一台で126発のドローンを格納できるラインメタルのコンテナ型ランチャーは、Hero型徘徊型弾薬と組み合わせることで、戦場に大きな影響を与える可能性をもつ。強力な兵器システムになりうるのだ。比較的小さな部隊が大きな攻撃力をもち、広範な戦場を支配し、移動も容易だ。

ドローンを発射するセルはさらに増やせる可能性もあり、またHero-30、Hero-120やHero-400など特定の作戦ニーズに合わせて設計された異なる機種が同時に搭載できるようになれば、さらに柔軟な攻撃ができる。

中国も同じことを考えたようだ。以下は、48個の発射セルをもった中国軍のコンテナ型発射システムのテストの模様だ。


20250318issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月18日号(3月11日発売)は「日本人が知らない 世界の考古学ニュース33」特集。3Dマッピング、レーダー探査……新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ブラックストーン、トランプ大統領の通商政策支持

ワールド

30日間停戦、より広範な和平計画策定を可能に=ウク

ビジネス

カナダが報復関税、298億カナダドル相当の米輸入品

ビジネス

カナダ中銀0.25%利下げ、トランプ関税で「新たな
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたト…
  • 5
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 6
    トランプ第2期政権は支離滅裂で同盟国に無礼で中国の…
  • 7
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 8
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 9
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 10
    「トランプの資産も安全ではない」トランプが所有す…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 10
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中